民事訴訟法講義
判決の効力 1関西大学法学部教授
栗田 隆 |
最判昭和40.3.26民集19巻2号508頁[百選*1998b]158事件 |
事実の概要 Xからの第三者異議の訴えに対して、執行債権者Yが反訴として詐害行為取消しの訴えを提起した。 |
判 旨 「詐害行為取消の効果は取消を命ずる判決の確定により生ずるのであるから、Xの本件動産所有権取得原因たる贈与契約が詐害行為に該当するとして右契約の取消を命ずる判決がなされても、右判決が確定しないかぎり、Xが右動産所有権を喪失するいわれのないことは明かである」。しかし、「贈与契約により右動産所有権を取得したことを前提とするXからの本訴第三者異議の訴訟の係属中に、右契約が詐害行為に該当することを理由として右契約の取消を求める反訴がYから提起され、右本訴および反訴が同一の裁判所において同時に審理された結果、口頭弁論終結当時の状態において、Yに詐害行為取消権が存すると判断され、Xの本件動産所有権取得が否定されるべきことが裁判所に明かな場合においては、X主張の前記所有権は民訴549条[現民執法38条]の異議事由に該当しないものと解するのが相当である。」 |