[←| 目次|文献略語 |→]
民事訴訟法講義
当事者 1関西大学法学部教授 栗田 隆 |
AがBに対してα債権を有し、BがCに対してβ債権を有している。 A───(α債権)──→ B ───(β債権)──→C 事例1:BがCに対してβ債権支払請求の訴えを提起した。 B──(β債権支払請求)─→C 事例2:Aが、民法423条によりBに代位して、Cに対してβ債権支払請求の訴えを提起した。 A──(β債権支払請求)─→C 問 実体的当事者概念では、事例2を説明できないことを確認しなさい。 |
設例1 XとYは夫婦である。XとYとは不仲になり、Yが家を飛び出したが、住民票上の住所はそのままである。Xは、Yに対し離婚の訴えを提起した。Yに送達されるべき訴状と第1回口頭弁論期日の呼出状は、Xと親しくなったAがXの住居において受領した。AがYになりすまして期日に出頭した。離婚判決が下され、確定した。 問 この訴訟の被告は誰か。 |
設例2 XはYに対して300万円の貸金債権を有している。
|
設例 吹田市山田99丁目99番99号に主たる営業所のある山田鋼業物産株式会社(代表者A)に商品を売却したXは、その代金の取立てのために、訴えを提起したが、訴状には、被告の会社名を山田鋼業株式会社(代表者A)と書いてしまった。 問 Xは、訴状の当事者欄における被告の表示を山田鋼業物産株式会社に変更することができるか。その変更は、どのような意味をもつか。 |
山田鋼業物産 | 山田鋼業 | |
---|---|---|
販売先 | ○ |
× |
販売当時の代表者 | A |
B |
訴え提起当時の代表者 | B |
A |
設例 Xが訴訟代理人を選任して、Yに対する訴えの提起を委任した後で死亡した。訴訟代理人は、それに気付かないまま、訴えを提起した(下記の図のaの段階でXが死亡した)。この訴訟は、どうなるか。 |
+Xが訴訟代理人を選任して、Yに対する訴え提起を委任する | (a)Xが死亡する +訴訟代理人が訴状を裁判所に提出する | (b) +訴状がYへ送達される | (c) |