講義要項(1999-2000年度生)
専門演習(民事訴訟法)1・2
関西大学法学部教授
 栗田 隆

科目内容・講義概要

次のことを学習する。

  1. 基礎知識の修得を確認し試験勉強に役立つように、民事訴訟法全般について、毎月1回程度の割合で、試験問題形式のレポートの課題を課す。これついては、授業計画での説明を省略する。
  2. 訴訟法と民法の交錯領域に関する判例を収集して卒業研究を書く。授業の成果は、2年目の終わりに提出する卒業研究に集約される。
  3. 「自分の権利は自分で護ろう」を標語に、契約書、内容証明郵便で送付する文書、簡易裁判所に提出する訴状、債権執行申立書、破産債権届出書等の実務書類の作成トレーニングを行う。

合宿を2年間で3回ほど行う。いずれも1泊。必ず参加すること。3年の2月にスキー旅行を行うが、これは自由参加。

授業計画

1 卒業研究について

ステップ1(3年) 卒業研究のテーマに関する判例を順次学習する。ゼミ生間の親密度を高めるために、最初は2人または3人で1つのグループを作り、次のことに注意しながらグループで報告する。

報告が1巡した後は、単独での報告になる。5月4日−5日に第1回合宿を行い(1泊)、割り当てられた判例を1件報告する。10月または11月に第2回合宿を行う。2月にスキー旅行。

報告された判例は、私の監修が監修している「判例紹介集」(http://civilpro.law.kansai-u.ac.jp/kurita/casebook/index.html)にすべて掲載する。「事実の概要」は、必ず自分の文章で書くこと。

ステップ2(4年前半) 就職活動のために忙しい時期であり、欠席が目立ち始めるが、ともあれ、判例研究を3年と同様に続ける。欠席の場合には、その週の活動を電子メイルで報告すること。7月までに卒業研究のテーマを決定すること。

ステップ3(4年夏休み・4年後期) 夏休み中に研究資料を収集して、バインダーに整理し、卒業研究の論文の粗筋を書く。5000字以上書いて、中間報告として資料バインダーと共に夏休み明けに提出する。11月末までに、10000字程度の卒業研究を書き、私に提出する。添削を受けて、書き直すこと。その間、卒業研究の概要を各自が順次報告する。12月中旬に完成した卒業研究を法学部事務室に提出する。

2 法律文書の作成トレーニング

2年の春休みに、書類作成の実習の準備として、「法的事件のシナリオの作成」に従って、下記に例示する適当な民事事件のシナリオを1つ書く。各自が債権者になって権利の実現のために、簡易裁判所に支払督促の申立てをし、訴えを提起し、強制執行を申し立てるという筋書きが含まれていることが必要である。

自分の作成したシナリオに従って、契約書・借用証書・交通事故の状況説明書等を書く。契約書なしで売買がなされた場合には、そのことを説明する文書および納品書・納品受取書を作成する。

相手方(債務者)に義務の履行を求める催告書を内容証明郵便の書式にしたがって作成する。ゼミ参加者の内の2名を郵便局担当者に指名するので、この者に催告書を提出する。この催告にもかかわらず義務の履行がないので裁判所に権利保護を求めるとの想定の下に、次の書類を作成する。

受講生への要望

毎年、演習1は火曜4限に、演習2は木曜4限に開講している。それぞれの演習の参加者は、共同作業のために演習が開かれる曜日の5限を空き時間とすること。この時間に個別指導・グループ指導を行うこともある。

参考書

備考


シラバス目次栗田隆のホーム

Contact: <kurita@kansai-u.ac.jp>
Last Updated: 1999年1月 5日