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同一内容の記事が多数のサイトに出現する。配信記事であろう。記事を作成して配信する者の責任は重い。記事作成者の良否は、第一次的には記事内容に依存する。しかし、見出しと記事本文と齟齬をきたしていることもあり、見出しの適否からその品位を推測することも許されるだろう。
総 合
専 門
外国の新聞社等による日本語のニュース
外国(特にフランス・英米)の新聞社等の日本関係の記事は、日本の通信社等の配信記事を掲載しているにすぎないことがある。内容に疑問のある記事あるいは粗雑な記事が掲載されることが時折ある。掲載された記事の品質は外国の新聞社等の品位に裏打ちされているわけではない。
- 英米
- フランス
- AFP 2021年8月の時点で中国の通信社の記事の転載が多い。中国系通信社になったかのように見える、
- 台湾
- 韓国
portal site
- Goo
- Yahooニュース
- 読者によるコメント 各ニュースに付随して匿名で書き込むことができる掲示板が用意されている。匿名であるにもかかわらず、他のニュース掲示板と比較すると、良好なコメントが多い。記事は他者が作成したものであるので、記事内容の批判に対してもおおらかである。
- ワクチンの供給が混乱し、ワクチンの供給が不確実であることを理由に大規模接種場等で予約のキャンセンルが問題になっている2021年7月6日に次のタイトルのテレビニュースが出された。 「東京や大阪からも来院…名古屋のクリニックで『予約不要のワクチン接種』双方の手間が省けキャンセル起きず」(東海テレビ)。 記事内容自体に誤りがあるというわけではないが、次のような批判が書き込まれた。≪名古屋市民の多くがまだ接種券を得られていないからこのクリニックではワクチンが余っているのです。地元民は接種を受けられず、他県から来た方に提供している≫。≪このようにワクチンを大量確保しているクリニックがあるから全国的にワクチン不足になるのではないか≫。その他、2回目の接種の確実性の疑問や1瓶で6回接種することが必要であることを前提にするとこの方法では廃棄が出るのではないかとの疑問が提起され、それらの点にも言及すべきであると批判された。
- コロナ関係の記事
- 上久保誠人「「尾身支持」が広がる一方、厳しく問うべき分科会のコロナ対策機能不全」(6/15(火)
6:01配信。Diamond on line に掲載された記事である) コロナ対策は、(1)感染拡大防止のための行動規制、(2)医療体制の確立、(3)ワクチン開発・接種が必要であるが、分科会(その前身を含む)は(1)に重点をおき、(2)(3)をなおざりにしてきたことが指摘されている。 (3)について次のように述べる。「海外諸国でどんどんワクチン接種が進み、日本が後れを取っている現状は、分科会の判断ミスも大きく影響した」。すなわち、「専門家会議は「ワクチン開発には数年かかる」と安倍晋三首相(当時)に進言していた。その結果、ワクチン接種による新型コロナのパンデミック終結は想定外となってしまった」。
- 江川紹子「東京・墨田区のワクチン接種はなぜ速いのか」(2021年8月16日) いくつかの例外はあるものの東京都のワクチン接種は、全般に遅れている。その中にあって、墨田区が迅速に接種事業を進捗させ、また、発症者の入院・治療を着実に行っている。その状況を西塚至・同区保健所長に取材したレポート。 接種事業の進捗の主要な要因として次のことが指摘されている。(1)高齢者枠を使ってでも、まずは医療従事者に接種したこと、(2)接種券を早い時期に配ったこと(国は、当初、ワクチン配送に合わせて接種券を年齢区分毎に配付することを推奨した)、(3)区直営の集団接種をメインにしたこと(国は、個別接種を主とし集団接種を従とする接種体制を推奨していた)、(4)当初から複数のワクチン使用を想定し、モデルナ製ワクチンも確保したこと、
(5)在庫の出し惜しみをせずに接種し(他の自治体では2回目のワクチンも確保してから1回目の接種をするとの方針を採ったところもあるが、墨田区では、2回目の接種には後日配送されるワクチンを充てることを前提にして、手許にあるワクチンを1回目の接種に充て、使用率(対配送量接種率)を高め)たこと、及びその結果ボーナス配送を受けることもあったこと、(6)接種事業に必要な追加予算を通年議会が補正予算により迅速に用意してくれたこと。 (メモ)国は接種事業の推進方法について大まかな指示をするにとどめ、自治体が地域の実情に合わせて、その自由裁量で推進することを許容にした。このことをもって「自治体への丸投げ」と批判する立場も一部に見られるが、正当とは思われない。国が拘束力のある細かな指示を出していたら、墨田区方式は生まれなかったであろう。
「丸投げ」と批判する立場は、ある意味で「指示待ち」の立場であり、それでは創意工夫は生まれない。
ニュース ソース(日本政府)──コロナ ワクチンを中心にして──
- 河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨
- 新型コロナワクチンについて
- メ モ
- VRS(ワクチン接種記録システム)に登録された記録に基づく接種データが掲載されている。接種の進捗状況を知る上で最も重要な資料である。VRSへの登録はリアルタイムで(接種後直ちに)なされるべきである。しかし、2021年6月時点では、一部の市町村では個別接種の登録を行政機関が代行しており、代行登録が後れる場合がある。ひどい場合には、市町村が行う集団接種の記録の登録まで後日廻しになっているところもあるとのことだ。したがって、ワクチンの配送を行う政府も接種状況をリアルタイムで把握しているわけではない。
- 職域接種は、接種事業を迅速に行うために、接種券の送付を受けていない者にも接種することが認められていて、2021年7月31日時点では、その接種記録は後回しになるようである(被接種者が後日
接種事業者に接種券を提出することが予定されており、その提出が確実に見込まれる者が職域接種の第一次的対象者である)。
- 都道府県別の高齢者ワクチン接種状況一覧表は、報道機関において接種率順に並べ替えられている。それは、あたかも、ワクチン接種競争の順位表である。順位の高い都道府県知事や担当者にとっては励みであり、順位の低い自治体にとっては相当の圧力になっているだろう。
- 接種状況
公表日
|
接種津総回数
|
1回以上接種者
|
百分率
|
2回接種完了者
|
百分率
|
9月2日
|
132,033,831
|
72,973,757
|
57.6%
|
59,060,074
|
46.6%
|
8月31日
|
128,759,863
|
71,390,309
|
56.2%
|
57,369,554
|
45.1%
|
- VRSへの登録遅れがあるので、実際の数値はこれよりも大きいと思われる。
- 9月2日公表日の数値は、9月1日までに報告された接種回数である。その1回以上接種者率が57.6%であることは、推奨接種間隔が3週間又は4週間であることを考慮すると、10月1日には2回接種完了率が57.6%を上回っているでああろうことを意味する。なお、2021年9月2日時点でNHKのサイトに掲載されている「世界のワクチン接種回数」>「ワクチン接種が完了した人(割合)」によれば、アメリカの接種完了率は49.71%であり、フランスは59.76%である。
- 職域接種(大学を含む)
法令──コロナウイルス関係
- 予防接種法・附則7条(新型コロナウイルス感染症に係る予防接種に関する特例)・8条(損失補償契約)
- 予防接種法施行令附則5
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号) 通常「感染症法」と略される。
- 新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)
- 31条の2第1項(臨時の医療施設) 「都道府県知事は、当該都道府県の区域内において病院その他の医療機関が不足し、医療の提供に支障が生ずると認める場合には、その都道府県行動計画で定めるところにより、患者等に対する医療の提供を行うための施設(第四項において「医療施設」という。)であって都道府県知事が臨時に開設するもの(以下この条、次条及び第四十九条において「臨時の医療施設」という。)において医療を提供しなければならない。」
- 臨時の医療施設 これは、新型インフルエンザ等対策特別措置法31条の2第1項の規定に基づき、都道府県知事が医療の提供に支障が生ずると認める場合に、患者等に対する医療の提供を行うため臨時に開設する医療の提供を行うための施設である。この施設については、消防法・建築基準法・医療法の一部の規定の適用が免除される(同条3項ないし5項)。
同法の制定当時は48条で規定されていたが、2021年1月22日の改正で同法31条の2で規定されるようになった(48条は削除)。改正前は、宣言が出された後で施設を開設することを前提にして、「第四章 新型インフルエンザ等緊急事態措置」の中で規定されていたが、改正後は「第三章 新型インフルエンザ等の発生時における措置」の中で規定され、宣言が出されていなくても開設することができるようになった。
- 新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
- 第14条の3(特例承認) 第十四条の承認の申請者が製造販売をしようとする物が、次の各号のいずれにも該当する医薬品として政令で定めるものである場合には、厚生労働大臣は、同条第二項、第六項、第七項及び第九項の規定にかかわらず、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、その品目に係る同条の承認を与えることができる。
一 国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病のまん延その他の健康被害の拡大を防止するため緊急に使用されることが必要な医薬品であり、かつ、当該医薬品の使用以外に適当な方法がないこと。
二 その用途に関し、外国(医薬品の品質、有効性及び安全性を確保する上で我が国と同等の水準にあると認められる医薬品の製造販売の承認の制度又はこれに相当する制度を有している国として政令で定めるものに限る。)において、販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列することが認められている医薬品であること。
2 厚生労働大臣は、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、前項の規定により第十四条の承認を受けた者に対して、当該承認に係る品目について、当該品目の使用によるものと疑われる疾病、障害又は死亡の発生を厚生労働大臣に報告することその他の政令で定める措置を講ずる義務を課することができる。
- 第14条の3の規定は令和2年前から存在していたが、1項柱書に「薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて」とあるので同委員会の意見が出されるまで、厚生労働大臣は承認を与えることができない。国会では、付帯決議において、「国内外の治験結果等を踏まえ、慎重に行うこと」とされた。薬事・食品衛生審議会は、アストラゼネカのワクチン(2月申請)及びモデルナのワクチン(3月申請)について、付帯決議に従って慎重に審査し、2021年5月20日に承認すべきと答申した。
特例承認は、外国において販売・投与が承認されている医薬品について認められるので(1項2号)、国内メーカーが国内で開発し、最初に国内で販売する予定の医薬品に適用されない。そのような医薬品について、暫定的な治験結果でもって暫定的に承認する制度が求められている。
- 第203回国会 参議院 内閣委員会 閉会後第1号 令和2年12月17日
- 第203回国会 参議院 厚生労働委員会 第7号 令和2年12月3日
- 第203回国会 参議院 厚生労働委員会 第6号 令和2年12月1日
- 予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案がこの委員会において可決された後に、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出され、その決議がなされた(令和2年11月18日の衆議院厚生労働委員会でも同じ)。その中に、次の条項がある。これらの条項それ自体は正当である。しかし、ワクチンを至急大量に調達しなければならないとの緊迫感は稀薄である。
二、新しい技術を活用した新型コロナウイルスワクチンの承認審査に当たっては、その使用実績が乏しく、安全性及び有効性等についての情報量に制約があることから、国内外の治験結果等を踏まえ、慎重に行うこと。
六、新型コロナウイルスワクチン確保のために製造販売業者等と損失補償契約を締結するに当たっては、損失補償を行わなければならない事態が発生した場合に、それが最終的に国民の負担となることを踏まえ、真に国が補償することが必要な損失として国民の理解が得られるものとなるように、製造販売業者等との交渉を行うこと。
- 第203回国会 衆議院 厚生労働委員会 第5号 令和2年11月18日
- 第203回国会 衆議院 内閣委員会 第7号 令和2年12月16日
衆議院
自治体
- 沖縄県
- 2021年8月、沖縄県はデルタ型が蔓延し危機的な状況にある。同月1日からは、県外からの入域を控えるように強く要請する旨のメッセージがホームページ(トップページ)に掲出されれている。直近1週間の人口10万人辺りの感染者数は、つぎのようになつている(NHKサイトのデータ)。
- 8月3日時点で、沖縄が1番多く171.37人。2位が東京で161.63人。
- 8月14日時点で、沖縄が1番多く256.09人。2位の東京199.93人を大きく引き離している。
- 8月19日時点で、沖縄が1番多く322.51人。2位の東京240.08人を大きく引き離している。
- 原因は明瞭だ。第一の原因は、もちろんデルタ株の感染力にあるが、他自治体との比較では、ワクチン接種が非常に遅れていることにある。この接種率の差が感染率の差をもたらしている。このことは、後述の久米島町との比較でも明らかである。
- 8月14日に閲覧した琉球新報の「沖縄県内ワクチン、本島中部で1回目接種率低迷<市町村別表付き>」によれば、1回目接種率は、全国平均が38.29%であるのに対し、県平均32.79%。 宜野湾市は22.68%と低迷している(県内で下から2番目)。
- 沖縄県公表の「ワクチン接種記録システム(VRS)に基づく市町村ごとの接種状況(8月18日時点)」によれば、全年代の2回接種完了率は、全国平均が32.73%であるのに対し、沖縄県は26.58%である。
- 沖縄県 > 「沖縄県新型コロナウイルスワクチン接種基本方針」(令和3年8月11日知事決定) 8月に入ってからのデルタ株の感染拡大に驚き、県知事がワクチン接種基本方針を策定し、公開した。そこでは、次の目標が立てられた。(1)「
令和3年7月末までに希望する高齢者への接種を完了し」、(2)遅くとも11月中に希望する全ての県民への接種を完了する」。そのために、
(3)「遅くとも10月末までに全人口の70%に当たる104万人以上への1回目の接種を目指す」ことが目標とされた。さらに「ワクチン接種の加速化」のために、(4)「令和3年8月末までに、県人口の50%に当たる74万人以上への1回目接種
を目指す」とされた。(1)(2)は、政府(菅総理)が立てている目標と同じである。しかし、(1)の目標については、2021年8月18日時点で、2回目接種率の全国平均が85.09%であるのに対し、沖縄県の平均は80.59%である。7月31日時点では、沖縄県の平均は、もっと低かった。接種希望率に地域差があるので、希望率が低ければそれで希望者全員への接種終了したと見ることもできないわけではないが、これだけデルタ型の感染が広がると、接種希望率の低さを言い訳に使うことはできない。(2)の目標はこれから達成されるべき目標であるが、それがおぼつかないので、(3)(4)の中間目標が立てられた。かなりの努力が必要であるが、成功を祈ろう。
- 沖縄県>沖縄県の新型コロナワクチン接種状況>「ワクチン接種記録システム(VRS)に基づく市町村ごとの接種状況」(PDF)
8月初旬時点でのワクチン接種率のあまりの低さに対処するため、8月になってから沖縄県の全市町村の接種率が沖縄県から公開されるようになった。
各基準日ごとにファイルが作成され、最新のファイルのみが公開されているようである。そのためリンクを張ってもファイルにジャンプすることができるとは限らなので、リンクは省略した。沖縄県のホームページ(Topページ)から辿ることができる。
- 久米島町 久米島町は、ワクチン接種が順調に進み、人口10万人当たりの週間感染者数も低い。2021年1月1日時点(=2020年12月31日現在)の住民基本台帳のデータによれば、日本国籍者
7,652人、外国籍者を含む総人口は7,694人。
総人口に対する接種率を算出するに際しては、集団免疫の可能性を知る上では、外国籍者を含む人数を用いる
方がよいであろうが、町は日本国籍者の人数を用いて算出しているので、それに従った。
- 接種体制 久米島町は、集団接種がメインであり、個別接種は、公立久米島病院で週1回のみ。 12〜64歳を対象とした1回目接種(集団接種場での8日間の接種週間)が2021年7月18日で終わった。
令和3年8月1日(日)〜8日にかけて非高齢者向けの2回目の接種週間が行われた。
- 接種状況
高齢者を含む12歳以上の接種対象人口(6,788人)に対する接種状況は下記のようである。
|
1回目 |
対象者に対する%
(総人口に対する%) |
2回目 |
対象者に対する%
(総人口に対する%) |
7月16日 |
4,419人 |
65%(57.7%) |
|
|
7月19日 |
5,457人 |
80%(71.3%) |
2,674人 |
39%(34.9%) |
8月1日 |
5,550人 |
81%(72.5%) |
3,123人 |
46%(40.8%) |
8月11日 |
5,754人 |
84%(75.1%) |
5,386人 |
79%(70.3%) |
9月3日 |
5,838人 |
86.0%(76.2%) |
5,637 |
83.0(73.6%) |
百分率の端数は切り捨て。
- 接種希望者に対する接種はほぼ完了したとみてよいであろう。新規の接種希望者及び新規の接種対象者に対する接種が残るのみである。
- 感染状況(陽性者数) 下記のとおりである(6月1日から9月4日まで)。
- 6月 4人 7月 3人 8月 8人 9月3人 8月が多いのは、デルタ型が広まったためであろう。
- 8月1日から7日までの1週間の感染者数は4人である。10万人あたりに換算すると、51.77人
- 8月12日から18日までの1週間の感染者数は3人である。10万人あたりに換算すると、38.82人
- 8月の7日間感染者数の平均は、1.086人。10万人あたりに換算すると、14.19人。
- 評価 久米島町の感染率については、社会的要因(特に人口が少ないこと)及び地理的要因(島であること)も考慮する必要があるが、沖縄県の他市町村との比較で最も重要なのは、やはりワクチン接種率の高さであろう。ただし、政府の分科会が示している指標では、直近1週間の人口10万人あたりの感染者数が「25人以上」になると「ステージ4」(感染状況が最も深刻)に相当し、「15人以上」になると「ステージ3」(感染者が急増している段階)に相当するとされている。沖縄県の中では感染者数は比較的少ないが、安心できるわけではない。なお、8月19日時点で人口10万人当たりの週間感染者数が最も少ないのは、秋田県の16.67人である。
- 相馬市 「市町村の基本配分計画」によれば、相馬市の人口34,708
人。相馬市の接種事業は迅速に進んだ。希望者全員への接種を最も早く完了したクループに属する。
- 接種体制 接種が迅速に進捗したことの要因は、次の2つと思われる:(1)集団接種の方法によりのワクチン接種事業を進め、集団接種会場で接種を受けることができなかった人は個別接種会場で接種を受けることにした(集団接種メイン);(2)集団接種について予約制を採用せずに、接種予定日を地域ごとに市が指定したことである(接種日指定制)。
- 接種状況
(2021年8月22日)
- 5月1日(土曜日)〜7月17日(土曜日)まで新型コロナワクチンの集団接種を実施した。7月17日で一般市民を対象とする集団接種を終了し、個別接種に移行した。個別接種会場は公立相馬総合病院と相馬中央病院の2つだけである。これなら接種事業完了後にワクチンが余って廃棄される可能性は低い(余ったとしても解凍前のものであり、他に回すことができるだろう)。
- 7月17日時点で、16歳以上(高齢者を含む。以下同じ)の人口約3万人のうちの83.7%に接種を完了(福島民報7月19日)。
- 8月16日に閲覧したWebページでは、16歳以上の住民に対する2回接種の完了率は84.4パーセント(25,159人/29,793人)。
- 夏休み期間中に、スポーツアリーナそうま第一体育館に集団接種会場を設置し、中学生を対象としたワクチン接種を実施。8月18日(水曜日)をもって集団接種会場を閉鎖し、個別接種会場での接種に移行。
- 8月22日に閲覧したWebページでは、16歳以上の住民に対する1回目接種人数は25,993人、2回目接種人数は、25,159人(大部分は集団接種であるが、そのほかに施設接種や病院接種などを含む。接種を希望したが未接種のままの人も少数いるようである)。7月16日時点の16歳以上の人口29,793人を母数とする2回接種完了率は、84.4%。16歳以上・65歳未満の接種希望者が若干少ない(81.4%=15,199
/ 18,665)。なお、基本計画枠で認定されていた人口34,708 人を母数とする2回接種完了率は、72.5%であるが、12歳以上16歳未満の接種数(8月22日時点で未開示)を加えればさらに多くなる。
- 2021年8月20日(金曜日)に、「2022年1月31日(月曜日)までに12歳の誕生日を迎える方」を対象に接種希望調書を発送。
- 感染状況
(9月4日現在)
- 「新型コロナウイルス感染症患者の発生(51例目以降)」によると、同市感染者(新規陽性者)数は、4月に26人、5月に4人、6月に7人、7月に0人、8月に16人。4月の感染者数が多いのが目に付く。5月からは一気に減少した。集団接種が始まったのは5月からであり、ワクチン効果が現れるのは6月からと考えられる(特に7月の感染者ゼロが注意を引く)。5月の感染者数減少の理由は不明(外出自粛等の行動制限が一応考えられる)。8月から再び増えているが、これは感染力の強いデルタ型が広まったためと思われる。
- 8月の7日間感染者数の平均は3.61人(人口10万人当たり10.41人)。 感染者数が比較的多い7日間を拾うと、次のようになる:8月23日から29日の感染者数は8人(人口10万人当たり23.05人)、8月4日から8月10日の感染者数は4人(人口10万人当たり11.52人)。少ない方を拾うと、8月11日から17日の感染者数は1人。
- 評価
(2021年8月31日)
- 相馬市の地理的社会的環境を考慮すると、外部との人流も多く、週間感染者数がゼロに近づくのは容易でない。週間(7日間)感染者数が前記のように比較的少ないことは、高く評価してよい。
- 接種日指定性は、予約制よりも負担が軽く、迅速に接種を進めるのに有用である。ただ、相馬市が採用した地域別指定については、相馬市が地域別接種日をどのようプロセスを経て指定したのかは分からないが、市全体としての連帯感があればこそ可能なことであった思われる(大都市部では採用は容易でなかろう)。また、相馬市は地域別指定による集団接種を2021年7月中に済ませたが、同年8月になるとデルタ型の感染が急拡大した。感染急拡大期においては、指定日が早い地域と遅い地域との不公平感が大きくなり、これまた地域別指定制の採用を困難にする要因になると思われる。
- 対馬市 総人口 30,377人、65歳以上人口
11,189人(「市町村の基本配分計画(ファイザー社ワクチンに係る基本計画枠)」による)。12歳から64歳の人口
16,409人(「市町村の基本配分計画(ファイザー社ワクチンに係る基本計画枠)(更新)」による)。対馬市の市域は対馬全体とその周辺の島に及び、その面積(708.6
km2)は、淡路島(592.2 km2)よりも広い。淡路島は3つの市に区分されているが、対島は全体が一つの市に包摂されている。人口は60歳以上が多く、それより下の年齢層が少なく、とりわけ35歳未満が少ない(国土の保全の視点からは問題である)。ちなみに、相馬市の面積は、197.8
km2
- 接種体制
- 巡回接種(高齢者施設等入所者対象)を5月6日から、個別接種(各医療機関での接種)を5月10日から、集団接種(体育館等での接種)を5月30日から開始した。個別接種と集団接種との間のワクチンの配分量は明らかでないが、個別接種を主にし、集団接種を従にした接種体制で始まったとみてよいであろう。
- 接種券の送付は高齢者から始め、16歳以上の者への送付を8月20日までに済ませた。12歳以上・16歳未満の者への送付は、8月23日時点では、「調整中」となっている。各人の接種予定日の設定は、指定方式ではなく、予約方式である。
- 個別接種は、11の医療機関で行われるが、8月23日現在では、6医療機関について「予約定数に達したため、予約を終了いたしました」と表示されている。
- 集団接種会場は、「対馬病院」、「対馬市交流センター」、「シャインドームみね」の3つが用意されている。9月の接種は、対島病院と対馬市交流センターのみで行われようであり、接種会場の削減(集約化)の方針のようにも見える。
- 接種状況 (8月18日現在)
- 接種対象者 27,229人のうち、1回目終了者16,812人(接種率61.7%)、2回目終了者12,840人(接種率47.2%)。全国平均を上回っている。 高齢者接種率は、1回目92.2%(10,315人)、2回目89.7%(10,042人)であり、申し分ない(母数は明示されていないが、接種対象人口であろう)。
- 非高齢者については、基礎疾患者及び25歳以上の者、16歳から18歳の者の接種率が示されている。換言すれば、19歳から25歳未満の年齢層については、基礎疾患者に該当しなければ接種をまだ実施していないのようである。
- 接種対象となっている非高齢者の接種率は、1回目接種率40.5%(6,497人)、2回目接種17.4%(2,798人)である。非高齢者のうちで16歳から18歳の者の接種率は、1回目58.0%(462人)、2回目6.4%(51人)である。16歳から18歳の年齢層は高校生と重なり、新学期から対面授業を行うことができるように接種を急いだと推測される(このことは、島内の高校に在籍する者についてのみならず、島外の高校に在籍する生徒についても重要である)。ちなみに県立対馬高校の第2学期の本来の授業開始日は8月23日(月)であるが、緊急事態宣言の発令により8月30日(月)に変更された。
- 感染状況
- 2021年1月に8人、2月と3月はゼロ、4月に15人(飲食店1で6名のクラスター、飲食店2で9人のクラスター)、5月に2人、6月に1人、7月2人、8月(19日まで)に9人。ワクチン接種率が低い5月・6月の感染者数が奇跡的に少ない(4月の感染クラスター発生により警戒が強まった結果と見ることもできよう)。8月から急増となるが、デルタ型の感染が広がったためと思われる。
- 人口10万人当たりの週間感染者数は、8月1日から19日についてみれば、(9÷19)×7÷30,377×100000=10.92人である。
- 今後について
- 1日当たりの接種(予定)回数が明らかにされていないが、早ければ9月末には希望者全員への接種は終了すると思われる。12歳以上16歳未満の者(大部分は中学生)の接種を急ぐ必要がある。
- 現在のワクチン接種事業が遅くとも11月には終わりになるであろうことを考慮すると、接種会場の集約化は避けられない。まずは、小規模の個別接種会場を廃止していくべきであろう(6医療機関について「予約定数に達したため、予約を終了いたしました」とされているのは、その動きの現れと見る余地がある)。集団接種会場は、市域の広さを考慮すると2つ程度を維持しておくことが必要かもしれないが、需要の少ない会場から廃止すべきである。集団接種会場を設けて接種するだけの需要がなくなった段階で、相馬市同様に、比較的規模の大きな病院による個別接種会場を1つ又2つ程度残すことになろう。
- 小諸市 全人口は42,230
人(広報こもろ号外令和3年8月 26 日配布号による)。
- 接種体制
- 2021年4月に綿密な接種計画書が作成され、同年7月にその第2版が作成された。
4月の計画書では、集団接種会場は、≪市内唯一の二次救急医療機関である「浅間南麓こもろ医療センター」に隣接し、周辺駐車場も整備
された「市民交流センター」≫1箇所とされ、毎週水・木・金・土・日が接種実施日とされた。接種スケジュールは3時間を1単位(以下「セッション」という。計画書では「回」の語が用いられている)にして設定され、日曜日3セッション、その他の曜日は1セッションである(計7セッション)。1セッションあたりの接種人数は最大225人が予定された(週間接種者数は、1575人)。
個別接種については、「当面供給されるファイザー社製のワクチンは、保管や移送などの取り扱いに制約が多く、解決すべき課題が残されている」ことが指摘され、未定とされた。このほかに高齢者施設等(43箇所)については、施設内での接種を積極的に進めることが明記された(嘱託医等による接種、嘱託医等がいない場合には、市の仲介のもと医師会から派遣される医師及び看護師による接種)。
- 7月の計画書(改訂版)でも上記の点は基本的に踏襲された(集団接種を中心とし、個別接種は検討課題に留めることについての説明が詳細になったこと等の違いはある)。しかし、7月までは週7セッションの接種時間帯が設定されていたのに、8月以降は週6セッションに減少された(9頁。木曜と金曜に各1セッション、土曜2セッション、日曜2セッション。週間接種者数は1350人)。集団接種の完了予定日は、11月末である(6頁)。なお、2021年5月31日付けの厚生労働大臣の指示により接種対象年齢の下限が従前の16歳から12歳に引き下げられたことも明記されている(2頁)。
- 接種日は指定制である(地区別ではなく無作為割当により指定)
- 接種状況(2021年8月)
- 2021年8月20日時点で、次の者への接種は完了しているようである(括弧内は対象者数)。医療従事者等(1,258
人)、60~64 歳の者(2,643
人)。次の者への接種はすでに開始されていて、9月下旬までに完了する予定である。基礎疾患者(2,643
人)、高齢者施設等従事者(629
人)、消防団員、教育/保育職業従事者。
- 7月の計画書(改訂版)によれば、その他の者について次の予定が立てられている。
50代への接種開始は9月 3日(金曜)、終了予定は10月上旬
40代への接種開始は9月 12日(金曜)、終了予定は10月中旬
30代への接種開始は9月23日(金曜)、終了予定は11月上旬
20/10代への接種開始は10月中旬、終了予定は11月下旬
- 上記のスケジュールは「広報こもろ号外(配付日:令和3年8月26 日D)」でも基本的に維持されているが、20/10代への接種の終了予定時期は11月中旬に早められた。
- 8月20日時点の接種者数は下記の通りである。
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1回目接種 |
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2回目接種 |
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65歳以上(対象者数 13,529 人) |
12,558人 |
92.8% |
12,228人 |
90.4% |
12歳以上(対象者数 37,224 人) |
17,933人 |
48.2% |
14,009人 |
37.6% |
- 感染状況
- 小諸市内の陽性者発生状況:括弧内は人口10万人当たりの週間陽性者数(各月の平均の7日間陽性率である。総人口を42,230
人とした)
8月 56人 (30.94人)
7月 11人 (5.88人)
6月 2人 (1.11)
5月 39人 (20.85)
4月 24人 (13.26)
3月 3人 (1.6)
2月 4人 (2.37)
1月 129人 (68.98)
(多くは発症しているが、若干の(無症状陽性者を含む)
- 陽性者数の変動が大きいことに驚く。2021年1月は正月帰省のため、4月と5月goto事業のためと理解してよいであろうか。8月はデルタ型の感染力の強さと夏休み旅行の影響と見ることができよう。ともあれ、デルタ型の感染拡大にもかかわらず、陽性率は他都市との比較で比較的低く抑えられ立てる。
- 評価(2021年9月3日 記)
- 「小諸市新型コロナワクチン接種実施計画」が綿密に策定されており、6月初旬時点(1日の接種回数が100万回を超えることが疑問視されていた時期)で評価するならば、適切に進捗していると言うことができた。しかし、その後に状況が変わった。第1に、6月9日には全国の1日の接種回数が100万回を超え、接種スピートが急速に上昇した(ピーク時には160万回に達することもあった)。第2に、菅内閣は、希望者全員への接種が2021年10月から11月にかけて終了するであろうとの見透しを立てた。11月末の接種完了は、全国的に見ればビリの部類に属するであろう。第3に、菅内閣は「8月下旬には2回の接種を終えた方の割合が全ての国民の4割を超えるよう」取り組むとの目標を立てた(令和3年7月30日の「新型コロナウイルス感染症に関する菅内閣総理大臣記者会見」)、8月23日公表時点でそれは達成された(小諸市の8月20日時点で12歳以上の対象者の37.6%が接種を完了しているが、全住民42,230
人を分母とする接種率は33.2%である)。第4に、感染力の強いデルタ型が登場して、感染が急速に拡大した。接種を急ぐ必要があり、とりわけ中学生・高校生の属する12歳から18歳までの接種は喫緊に行う必要がある。
こうした変化を考慮するならば、接種完了時期を11月下旬とする目標はもちろん、11月中旬とする目標も低すぎる。菅内閣の「10月から11月までには希望者全員への接種が完了する」との目標は、それ以前に希望者全員への接種を完了することを禁ずるものではない。事実また、相馬市のように、8月末までに12歳以上の希望者全員への接種を完了した自治体もある。
- 小諸市は集団接種を中心とする接種計画を立てた。これは正しい選択である。問題は、集団接種における週間接種回数が少なかったことである。特に、8月以降について接種セッション数を7から6に減らしたことは、前記の状況変化に照らせば不可解である。今から週間接種回数を増加させ、接種スケジュールを早めても、12歳以上の希望者全員への接種が完了する時期は10月第3週から第5週となろうが、それでも接種完了の目標時期をそのように再設定すべきである。そして、ファイザー製ワクチン1億7000万回分の配送の最終配送クールである第15クールは、10月4日の週で終わる。接種の終了時期を10月下旬に早めてもワクチン不足の状態に陥ることはないと思われる。
- 小諸市は集団接種を中心としており、接種事業が終わりに近づいた時期に未使用ワクチンが残存しない形で個別接種会場を順次閉鎖していくという問題は生じない。ただ、未接種者が減少して集団接種を行う必要がなくなった段階で、個別接種会場を開設する必要がある。これは、「浅間南麓こもろ医療センター」となろう(相馬市の例を参照)。
メ モ──コロナ関係
2021年6月2日──職域接種(大学を含む)について
接種体制の簡素化という点からは、市町村による住民接種(自治体が住民に対して提供する接種)のみに限定すること(1本体制)が望ましい。しかし、これによる接種のスピード(1日あたりの接種回数)が5月末の時点でも100万回には遠く及ばず、接種回数の上昇も遅い。そこで、菅内閣は、やむを得ず、5月24日から自衛隊による大規模接種を開始した。これで2本立てとなった。それを見て幾つかの都府県が大規模接種会場を設けるようになった。これで3本体制になった。それでも、1日100万回には及ばない。欧米並みに接種を進めて経済活動の正常化を図ろうとすると、実のところ、1日100万回でも足りない。160万回にして、1ヵ月に4800万回、3ヵ月で1億4200万回、7100万人への接種(一人2回接種)を遅くとも9月末までに完了することが必要だ(日本の15歳以上の人口が約1億1100万人。その8割が接種希望として、総計で8880万人への接種が必要だ)。それで、菅内閣は、職域接種を6月21日から開始することにした。これで4本体制になる。かなり複雑になるので、自衛隊による大規模接種は、予定通りに終了させることになるだろう。そうなれば、3本体制になる。独自の大規模接種会場を設けない都道府県は、2本体制になり、かなり単純化される。
職域接種では、おそらく予約困難の問題は生じないであろうから、住民接種よりは円滑に進むと思われる。 振り返ってみれば、住民接種では、自治体のコールセンター経由の予約も用意されたが、これが時代遅れであったように思える。なお、中学校や高校での集団接種はかなり効率的に実施され得ると思われるが、同調圧力が生じやすいとの
理由で、当分行われないようだ。
住民接種を実施する市町村、都道府県及び国の3者間の基本的法律関係は、予防接種法・附則7条で規定されている。 職域接種については、どうなるのか。会社等が施設を市町村に提供し、市町村が実施するというのであれば、住民接種の範囲内だ(5月中旬時点では、この案も出ていた)。問題となっている職域接種は、そうではなく、会社や大学(正確には、大学設置法人)が実施主体になるのだろう。それを前提にして、次のことが問題になるが、今の時点(2021年6月2日)では、いずれも明瞭でない(未定であろうか)。
- 実施主体となる会社等と国(又は都道府県)との間の法律関係 国費で購入されたワクチンを接種するのであるから当然法律関係が想定されるが、これに関する法律の規定はないから、契約によって規律することになろう。その契約が国(又は都道府県)と実施主体との間の「接種委託契約」になるのか、「ワクチン無償提供・費用支援契約」になるのかは、今の時点では未確定。
- 会社等との契約相手になるのは、国か都道府県かも今の時点で未定のようだ。職域接種は、接種対象者が1000人以上となる場合に認めるとのことである。ワクチンは、1箱に195バイアル(瓶)が格納されて流通する。1バイアル5回接種の場合975回接種分、6回接種の場合1,170回接種分であるので、1000人という数字は、ワクチンの保管・流通の単位を考慮した数であろう。大学の中には、学生・教職員あわせて2万人以上のものもあるので、それとの比較で言えば、かなり小規模でも認める方針だ(ただし、「大企業から始める」との説明もある)。となると、職域接種の実施主体はかなり多数になるので、国ではなく都道府県が契約相手になる可能性が高い。契約相手がもし国であるとすればどうか。河野大臣は、全国知事会の飯泉会長らとオンラインで意見交換(6月2日)で「ワクチンの横流しが生じないように注意していただきたい」との趣旨を述べたようなので、その契約の中では、多分、「職域接種の実施主体は、都道府県知事の監督を受ける」旨の条項も入ることになるのだろう。
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専 門
その他