判決手続は、私法上の法律関係をめぐる紛争を強制的に解決するための手続である。民事訴訟法1・2では、その基本的事項を講義する。民訴3では、複雑訴訟や上訴を取り扱う。 民事訴訟法1と2も履修することが望ましい。 授業は、教科書に従って、重要事項を重点的に説明する形で進める。
(1) 民事訴訟の基本的事項（請求の併合、紛争の相対的解決の原則、不服申立て、上訴の効力、判決の確定など）を説明することができるようになること。
(2) 各条文について、具体例をあげて、その規定の趣旨を説明することができるようになること。
(3) 基本的な事例問題について、それに適用される規定の趣旨を説明しつつ、どのように解決されるかを説明できるようになること。
第1回 判決手続の基本的事項の復習、請求の併合（136条）
第2回 訴えの変更・中間確認の訴え・反訴（143条−146条）、選定当事者訴訟（30条・144条）
第3回 共同訴訟（通常共同訴訟・必要的共同訴訟）（38条−41条）
第4回 補助参加・共同訴訟的補助参加（42条−46条）、訴訟告知（53条）
第5回 独立当事者参加（47条−48条）
第6回 訴訟手続の中断と当然承継
第7回 任意的当事者変更
第8回 訴訟承継（訴訟参加・訴訟引受。49条−52条）
第9回 判決の確定（116条）と上訴概説
第10回 控訴（281条−310条）
第11回 上告（311条−326条）
第12回 抗告（328条−337条）
第13回 再審（338条−349条）
第14回 まとめ
第15回 練習問題
参照条文付きの法令集（有斐閣・ポケット六法あるいは三省堂・デイリー六法）を繰返し読み、参照条文を見ながら規定間の関連性を把握すること。判例付の法令集を読むのもよい。
定期試験（筆記試験）の成績と平常成績で総合評価する。
筆記試験は、到達目標(3)の到達度によって測定する。
平常成績は、出席状況をもって測定する（遅刻や途中退出はすべて欠席として扱う）。
長谷部由起子 『民事訴訟法 新版』（岩波書店 2017年504頁）
条文を中心に説明するので、最新の法令集を必ず持参すること。 有斐閣の法令集（ポケット六法）又は三省堂の法令集（デイリー六法）を推薦する。
民訴1・2を受講したことまたは受講中であることを要望する。4月の終わりまでに、自分が現在使用している教科書を一度通読しておくこと。