講義要項(2017年度春学期・月曜3限)

民事訴訟法1

関西大学法学部教授 栗田 隆


授業概要

判決手続は、私法上の法律関係をめぐる紛争を強制的に解決するための手続である。民事訴訟法1・2では、その基本的事項を講義する。民事訴訟法1と2をセットで履修することが望ましい。 授業は、教科書に従って、重要事項を重点的に説明する形で進める。民訴3で取り扱う事項(複雑訴訟や上訴)は省略する。

到達目標

  1. 民事訴訟の基本的事項(民事訴訟法の目的、訴訟手続の3つの段階(訴え・審理・判決)、訴訟物、弁論主義、判決の形式的効力と内容的効力など)を説明することができるようになること。
  2. 各条文について、具体例をあげて、その規定の趣旨を説明することができるようになること。
  3. 基本的な事例問題について、それに適用される規定の趣旨を説明しつつ、どのように解決されるかを説明できるようになること。

授業計画

第1回  第1章 民事訴訟とはなにか(1) 民事訴訟の意義など
第2回  第1章 民事訴訟とはなにか(2) 民事訴訟の基本原則
第3回  第2章 民事訴訟の開始(1) 訴えの提起など
第4回  第2章 民事訴訟の開始(2) 訴状の記載事項など
第5回  第2章 民事訴訟の開始(3) 第1回口頭弁論の準備など
第6回  第3章 審判の対象(1) 訴訟物など(請求の併合・訴えの変更は除外する)
第7回  第3章 審判の対象(2) 二重起訴の禁止(142条)/申立事項と審判事項(133条2項2号・246条)
第8回  第4章 手続の主体(1) 裁判所
第9回  第4章 手続の主体(2) 管轄と移送
第10回  第4章 手続の主体(3) 当事者の概念など
第11回  第4章 手続の主体(4) 当事者能力・訴訟能力、法定代理人など
第12回  第5章 訴訟要件(1) 訴えの客観的利益
第13回  第5章 訴訟要件(2) 訴えの主観的利益
第14回  第5章 訴訟要件(3) 訴訟要件の審理
第15回  まとめと質疑応答

授業時間外学習

参照条文付きの法令集(有斐閣・ポケット六法あるいは三省堂・デイリー六法)を繰返し読み、参照条文を見ながら規定間の関連性を把握すること。判例付の法令集を読むのもよい。

成績評価の方法

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。

成績評価の基準

定期試験は、到達目標(3)の到達度によって測定する。

平常成績は、出席状況をもって測定する(遅刻や途中退出はすべて欠席として扱う)。

教科書

長谷部由起子 『民事訴訟法 新版』(岩波書店 2017年504頁)

法令集を必ず持参すること。有斐閣の法令集(ポケット六法)又は三省堂の法令集(デイリー六法)を推薦する。

参考書


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Last Updated: 2017年2月 20日