債務者が支払不能ないし債務超過の状態にある場合に、包括的な執行ないし清算手続として、破産手続が開始される。破産手続を規律する破産法の基本的事項を、スライドと口頭での説明を中心にして講義する。Webに自習用教材を掲載している(http://civilpro.law.kansai-
u.ac.jp/kurita/ からたどることができる)。スライドの内容をプリントアウトしたものを教室で配布する。
なお、次の事項は取り扱わない:相続財産の破産等に関する特則(10章);信託財産の破産に関する特則(10章の2);外国倒産処理手続がある場合の特則(11章)。
また、次の事項については、口頭での説明は省略する:管轄(4条〜 7条);事件に関する文書の閲覧(11条・12条);
第1回 破産制度の目標と概要/破産手続開始申立て
第2回 事前処分/破産手続開始決定/破産手続の機関(破産管財人)
第3回 破産手続開始の効果(1)破産財団の成立/資格制限
第4回 破産手続開始の効果(2)係属中の訴訟等
第5回 破産手続開始の効果(3)破産者の法律行為
第6回 破産手続開始の効果(4)未解決の法律関係
第7回 取戻権/別除権
第8回 相殺権
第9回 破産債権(1)
第10回 破産債権(2)/破産債権の届け出・調査・確定
第11回 財団債権
第12回 破産者の財産状況の調査/否認権
第13回 破産財団の換価/配当
第14回 破産手続の終了/免責手続及び復権
第15回 まとめ
定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
定期試験は、到達目標(3)の到達度によって測定する。
平常成績は、出席状況をもって測定する(遅刻や途中退出はすべて欠席として扱う)。
山本克己編著 『破産法・民事再生法概論』 (商事法務、2012年7月10日初版1刷発行、A5版456頁)
条文を中心に説明するので、法令集を必ず持参すること。有斐閣の法令集(ポケット六法)又は三省堂の法令集(デイリー六法)を推薦する。
講義テーマ全体の教科書ではないが、試験範囲に含まれる事項をより深く理解するために、最近の法学論集に掲載されている次の論文も入手しておくこと。
参考書