講義要項(法学部・デイコース)
専門演習(民事訴訟法)1・2
関西大学法学部教授 栗田 隆
演習テーマ
民法と民事手続法の交錯
科目内容・講義概要
民法と民事手続法の交錯領域について勉強します。時効の中断、共有物の分割、債権譲渡、相殺、債権者代位など、手続法の知識が必要な財産法上の重要問題を取り上げます。共通の教材は、法令集と指定の教科書とWeb上の各種の資料です。Web上の資料の中には、最高裁判例や衆参両議院の法務委員会の議事録も入ります。高槻の高岳館で2回ほど合宿します。演習1では判例を読むことを中心にして基礎的な勉強をします。スライドを用いたプレゼンテーションの技法も習得します。演習2の春学期では、民事訴訟法の判例を思う存分にたくさん読みます。秋学期では、「自分の権利は自分で守ろう」をテーマに、法律実務文書の作成練習をします。
Web上の教材へのアクセスを記載したページを下記に用意しています。
授業計画
(ゼミ募集時の計画から若干変更しました)
専門演習1
- 4月・5月前半 教科書の債権総論の部分を読みます。黒板に要点と図を書きながら教科書の内容を一人で説明できるように予習しておいて下さい。5月に図書館ツアーを実施します。
- 5月後半 「判例研究」に掲載されている債権総論に関する判例を読みます。1回に5件ほど読みます。黒板の前で何も見ずに、事案と判旨を説明できるように予習しておいてください。
- 6月・7月 4つのグループに分かれて、情報処理教室でスライドを使って、判例報告をします。テーマは、「判例研究」の中から選択してください。
- 7月の最後の授業で、「担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律」(平成15年8月1日法律第134号)の資料(要綱中間試案の補足説明、156回国会衆議院法務委員会議事録の一部など)を渡し、民法395条の改正について説明します。民法395条の改正経過をA4の紙4毎程度にまとめることを夏休みの課題とします。法務委員会議事録のうち授業時に配布しなかった部分は自分で探して、ブリントアウトして目を通してください。詳細は「立法資料調査問題」のページを参照。9月の最初の授業は、そのプレゼンテーション。
- 秋学期からは、「判例検索問題」をします。各グループで用意された問題を選択して、報告してください。判例の紹介は、情報処理教室でスライドを使って行います。
専門演習2
- 春学期は、特別ゼミ教室で、判決手続に関する判例をたくさん読みます。
- 夏休みの課題として、「立法資料調査問題」を出します。テーマは、文書提出命令を予定しています。9月の最初の授業は、そのプレゼンテーション。
- 10月・11月は、「法律実務文書の作成トレーニング」を行います。各グループで、テーマを選択して報告してください。2003年度の授業では、「配偶者暴力に関する保護命令申立書」が最初に取り上げられました。今回もこれが最初でよいでしょう。保護命令違反の行為に関する判例も検索して報告してください。
- 12月・1月は、簡易裁判所の判決を基に、「事例トレース問題」を行います。本人訴訟を前提にして、訴状や答弁書を書きます。
受講生への要望
インターネットを自宅で使用できる環境にあることが望ましいです。
教科書
専門演習1の受講生については、2004年1月に発行された下記の書籍を教科書にします。
- 内田貴『民法3 債権総論・担保物権(第2版)』(東大出版会)
専門演習2の受講生については、新規に教科書の指定をすることはしません。
参考書
備考
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Contact: <kurita@kansai-u.ac.jp>
Last Updated: 2004年2月8日