講義要項(2005年度秋学期・デイコース)

民事執行法(2)

関西大学法学部教授 栗田 隆


科目内容・講義概要

民事執行手続は、私法上の権利を国家の執行機関の手を借りて強制的に実現するための手続です。この手続を規律する民事執行法、ならびに、執行により実現されるべき権利の保全手続を規律する民事保全法の基本事項を講義します。できるだけ条文の順番にそって講義しますが、読めばわかる条文の説明は飛ばします。スライドと口頭での説明を中心にして講義する。Webに自習用教材を掲載している(http://civilpro.law.kansai-u.ac.jp/kurita/ からたどることができる)。教室での資料配布は、原則としてしない。

民事執行法(2)では、金銭債権の回収を題材にして、民事執行法の中の金銭執行、担保執行、換価のための競売、財産開示手続を講義する。

講義計画

  1. 金銭執行概説、不動産執行・船舶執行の概説、不動産の競売開始決定と差押えの効力(45条−48条)
  2. 配当要求(49条−52条)、強制競売の取消(53条−54条)
  3. 売却条件・売却準備(55条−63条)
  4. 不動産の売却(64条−68条の3)、売却の許可(69条−75条)、買受人の地位(76条−83条)
  5. 売却代金の分配(84条−92条)
  6. 不動産に対する担保執行1(181条−187条の2)
  7. 動産執行(122条−142条)
  8. 動産に対する担保執行(190条−192条)
  9. 債権執行1(143条−153条)
  10. 債権執行2(154条−166条)
  11. 少額訴訟債権執行(167条の2−167条の14)/扶養料債権についての特則(167条の15・167条の16)
  12. その他の財産権に対する執行(167条)、債権に対する担保執行(193条)
  13. 換価のための競売(195条)、財産開示手続(196条−203条)
  14. 練習問題

成績評価

学期末試験で評価する。授業は、学生諸君の資質と教師自身の能力を考慮して目標を立て、定めた目標に学生諸君が到達できるように教師が努力すべきものである。学生諸君の成績が悪いとすれば、教師の側にも責任がある。目標設定が適切であったか、目標に向けて教師が十分に努力したか、そもそも教師に能力があったのかが問われる。

この講義において学生諸君が到達すべき目標は、講義テーマについて教材として公開されている練習問題に8割以上回答できることとする。教師の努力目標は、この講義が2年生配当の中核科目の一つであるので、授業に毎回出席した2年生の7割以上がこの目標に到達できるようにすることである。

成績は、定期試験(筆記)をもって評価する。学生諸君の成績は、同時に、教師である私の成績でもある。

教科書

法律の条文が最も重要な資料である。平成15年・16年に大きな改正があったので、最新の法令集を必ず持参すること。授業開始までに民事執行法を1回通読しておくこと。

参考書


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Last Updated: 2005年 1月10日