講義要項(2004年度法学部・デイコース)

一般演習(少人数)(1年生・春学期)

関西大学法学部教授 栗田 隆


演習テーマ

表現の自由とプライバシーの保護

科目内容・講義概要

憲法21条は、表現の自由を規定している。表現の自由は、自分を表現し、また、他者の自由な表現に触れることにより、各人が自分の人格を発展させていくために不可欠な自由である。表現の自由は、また、社会の不正をただし、民主主義を維持していくためにも必要である。

人は、社会の中で生きている。他人から尊敬されたいし、少なくとも見下されたくないと思うものである。そして、誰にも、他人に言及されたくない過去や個人的生活がある。個人の名誉や名誉感情あるいはプライバシーは、法的に保護されるべきである。

こうした表現の自由と個人の名誉・プライバシーは、個人が表現の対象となるときに緊張関係に立ち、無数の事件が発生し、多数の裁判例が公表されている。名誉やプライバシーの保護との関係を中心にして、表現の自由・報道の自由の限界を学び、あわせて判例を読む力をつけることがこの授業の目標である。

授業計画

第1回目の授業の前に、『講義要綱・講義計画』のこのページの内容を頭に入れておくこと。講義要綱を読まずに授業を選択する学生諸君が毎年いることに閉口している。法令集も必ず持参すること。

最高裁判所のWebサイトに掲載されている判例を中心にして、40件程度の判例を集めた判例集を作り、それを教材にする。この授業限りの判例集であり、印刷して製本すると費用が割高になるので、PDFファイルにして、私のWebサイトに掲載するにとどめる。次のページから辿ることができるようにしておく。

http://civilpro.law.kansai-u.ac.jp/kurita/casebook/study/index.html

1回目の授業に限り、判例を配布する。取り上げるのは、「逆転」事件の最高裁判決と、そこに引用された先例である。

2回目以降の授業では、次のことを予定している。

夏休みの初めの頃に、高槻にある関西大学セミナーハウス・高岳館で1泊2日の合宿をする予定である(受講生の受講態度によっては、中止することもある)。費用は、3,750円ほどである(昼食代+夕食代+宿泊費+朝食代。但し、これは2003年度の価格である。デフレの時代であるので、これ以上になることはないであろう)。他に交通費がかかるが、必ず参加すること。

受講生への要望

少人数教室で諸君と教師とが向き合って勉強する。教材を1回に20ページほど読むことになろう。十分な予習時間がとれる者だけが参加すること。

成績評価

授業に出て一緒に勉強し、学期末に行うテストで所定の成績を上げることが単位修得の要件である。単位修得のためには、さらに、次の課題を達成することが必要である。

教科書


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Last Updated: 2003年12月23日