講義要項
専門演習(民事訴訟法)1・2(1998-99年度生)
関西大学法学部教授
 栗田 隆

科目内容・講義概要

判例百選を手掛かりに基礎知識を修得し、訴訟手続または訴訟手続と民法の交錯領域に関する判例を収集して論説にまとめることを目標に授業をします。授業の成果は、2年目の終わりに提出する卒業研究に集約されます。

卒業記念になるように、全員の論説と随筆を集めた報告集を作成し、卒業式の日に渡します。

合宿を2年間で3回ほど行います。いずれも1泊。必ず参加すること。

授業計画

ステップ1(3年前半1)

民訴判例百選に沿って、基本事項を学習する。ゼミ生同志の親密度を高めるために、2人または3人で1つのグループを作り、次のことを守りながらグループで報告する。

ステップ2(3年前半2)

報告が1巡した後で、卒業研究の出発点となる次の作業を行う。

  1. 共通研究テーマを6つほど設定する(例えば、訴え提起による時効中断、相殺の抗弁、権利義務の承継と訴訟の承継、権利能力なき団体の当事者能力、債権者代位訴訟、形成権の行使と訴訟手続、共有関係をめぐる訴訟、訴訟告知、弁論主義、既判力の主観的範囲など)。
  2. そのテーマに関する判例・文献リストを作成し、卒業研究の基礎材料とする。
  3. 共通研究テーマから各自が卒業研究のテーマを選択し、判例報告の分担を決め、各自1件づつ報告し、共同討議に付す。同一のテーマを選択した他の参加者の役にも立つように、判例紹介のレジメを作成すること。これ以降は、グループ報告ではなく、単独報告が中心になります。

上記の2の作業に若干の時間がかかるので、その間に基本事項の学習を継続することがある。

ステップ3(3年夏休み前後)

各自が選択した研究テーマに関係した資料を収集し、バインダーに整理する。

7月末または9月下旬に第1回合宿を行う(1泊)。各自の選定した研究テーマの素材となる判例を1件報告すること。

ステップ4(3年後期)

これまでに自分が集めた判例、友達の判例報告のレジメ等の資料をバインダーに整理し、夏休み後の最初の授業の時に、そのバインダーを教師に見せる。

各自判例を順番に報告する。1回の報告者の人数は、参加者の質疑応答等の発言量に左右される。議論が少なければ、1回に最大3名が報告することになる。

ステップ5(春休み)

3月上旬に第2回合宿を行い、全員が1ないし2件の判例を報告する。

ステップ6(4年前半)

就職活動のために忙しい時期であり、欠席が目立ち始めるが、ともあれ、判例の報告を3年後期と同様に続ける。欠席の場合には、その週の活動報告を電子メイルで提出すること(600字以上)。

ステップ7(4年夏休み)

卒業研究の論文の粗筋を書く。5000字以上書いて、中間報告として夏休み明けに提出する。

ステップ8(4年後期)

卒業研究の概要を各自が順次報告し、12月中旬に10000字程度にまとめて、法学部事務室に提出する。

10月頃に第3回合宿をおこなうか(1泊)、または2月にゼミ旅行(スキー旅行など)に行く。いずれをとるかは、ゼミの参加者が決める。

受講生への要望

毎年、演習1は火曜4限に、演習2は木曜4限に開講している。それぞれの演習の参加者は、ゼミ生同士の共同作業のために演習が開かれる曜日の5限を空き時間とすること。この時間に個別指導・グループ指導を行うこともある。

教科書

参考書


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Last Updated: 1997年12月 23日