講義要項(1998年度2部)
民事訴訟法2(民事執行法)
関西大学法学部教授 栗田 隆

科目内容・講義概要

民事執行手続は、私法上の権利を国家の執行機関の手を借りて強制的に実現するための手続です。これについて、板書と口頭での説明を中心にして、基本事項を講義します。教室での資料配布は、特別な場合を除きしませんが、自習用教材をWebに掲載します(http://civilpro.law.kansai-u.ac.jp/kurita/ からたどってください)。

講義計画

以下の通りですが、各回の予定した分の説明が全部できなかった場合でも、説明できなかった部分については教科書等で自習していただくことにして、次に進むことにします。

  1. 民事執行の概略、執行機関、執行当事者
  2. 執行抗告と執行異議、執行費用
  3. 強制執行概論(執行の態様、執行請求権)
  4. 債務名義と執行正本(執行力、単純執行文)
  5. 執行力の拡張(承継執行文)
  6. 債務名義を争う方法
  7. 責任財産と第三者異議の訴え
  8. 強制執行の停止・取消し
  9. 金銭執行の概説と不動産執行の概説(差押え・換価・配当)
  10. 強制競売と担保競売の類似点と相違点
  11. 競売申立と差押えの効力
  12. 売却条件
  13. 売却の準備(現況調査、物件明細書、売却のための保全処分)
  14. 不動産の売却(売却の方法、売却不許可事由、売却許可決定と執行抗告)
  15. 買受人の地位(代金納付、所有権移転登記等の嘱託、引渡命令)
  16. 売却代金の分配(配当、弁済金交付)
  17. 動産執行
  18. 動産に対する担保執行
  19. 債権執行
  20. 債権に対する担保執行
  21. 物の引渡・明渡執行、作為・不作為執行
  22. 民事保全法概説1
  23. 民事保全法概説2
  24. これ以降は、まとめと練習問題の対話を行います。

成績評価

学年末試験の成績をもって評価します。学年末試験は、簡単な選択式・語句記入式の問題10題と論述式の問題2題を出します。選択式・語句記入式の問題は、Webに掲載されている自習用教材に若干の修正を加えて出します。この問題に5割以上の正解の答案についてのみ、論述式の答案を採点します。したがって、選択式・語句記入式の問題について正解が5割未満の答案は、そのことのみによって不合格となります。

参考書

法律の条文が最も重要な資料です。授業に条文集を必ず持参すること。授業開始までに民事執行法を1回通読しておくこと。

教科書は特に指定しません。次の図書あるいは授業中に指示するその他の若干の概説書等により、予習・復習をしてください。

本格的に勉強したい人は、

一通りの知識を身に付けたい人は、

などコンパクトな概説書。


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Last Updated: 1998年 1月13日