講義要項(1997年度1部)
補充分野特殊講義「民事訴訟法1部」
関西大学法学部教授 栗田 隆
科目内容・講義概要
私法上の法律関係をめぐる紛争を強制的に解決するための手続である判決手続のうち、「民事訴訟法1部」の授業で取り上げなかった部分(複雑訴訟形態・上訴)について、基本的事項を講義します。板書と口頭での説明を中心にして講義していきます。資料配布は、原則としてしません。
講義計画
次の項目の講義を予定しています。全体を概観することに重点をおきますので、各回の予定した分の説明が全部できなかった場合、説明できなかった部分については教科書等で自習していただくことにして、次に進むことにします。
- 判決手続の基本的事項の復習・訴えの客観的併合
- 訴えの変更・反訴
- 共同訴訟(通常共同訴訟・必要的共同訴訟)
- 訴えの主観的予備的併合・選定当事者訴訟
- 補助参加・共同訴訟的補助参加
- 独立当事者参加
- 当事者の変更(任意的当事者変更、訴訟承継)
- 判決の確定と上訴1
- 上訴2
- 再審
- これ以降は、対話によるまとめと練習問題
成績評価
当初の講義要項では、下記のように記載していました。
期末試験の成績をもって評価します。試験には、簡単な選択式・語句記入式の問題10題と論述式の問題2題を出します。選択式・語句記入式の問題で正解が5割未満の答案は、そのことのみによって不合格とし、選択式・語句記入式の問題で5割以上の正解の答案についてのみ、論述式の答案を採点します。 |
しかし、下記の理由により、成績評価の方法を次のように変更します(1997年8月10日)。
期末試験の成績を基本としつつ、期末試験のほかに授業時間内に2回試験を行い、その成績ならびに出席状況も考慮して、最終の成績評価とします。試験問題は、すべて論述式の問題とし、各試験において2問出題します。 |
変更の理由は、下記の通りです。
- この授業の受講登録者数が52名であることが判明した。この人数であれば、期末試験とは別に2回の試験を行い、評価の上答案を返却することが可能である。
- 期末試験1回だけで授業全体の理解度を評価するより、数回に分けて評価する方が、試験の際に記憶すべき量が少なくなり、学生諸君の負担軽減となる。
- 複数回のチャンスがあるので、最初の試験で失敗しても、勉強の方法あるいは答案作成方法を変更することにより、敗者復活の余地がある。
- 最初の2回の試験については答案返却の機会があるので、勉学の励みとなる。
参考書
教科書は特に指定しません。次の図書あるいは授業中に指示する概説書等により、予習・復習をしてください。
平成民事訴訟法の概説書として次のものがあります。
- 中野貞一郎『解説新民事訴訟法』(有斐閣)
- 上原敏夫・池田辰夫・山本和彦『民事訴訟法(第2版)』(有斐閣Sシリーズ)
- 上田徹一郎『民事訴訟法[第2版]』(法学書院)
平成9年12月31日まで施行される大正15年法について、次のものがあります。
- 本格的に勉強したい人のために、
- 中野貞一郎・松浦馨・鈴木正裕編『民事訴訟法講義』(有斐閣)
- 上田徹一郎『民事訴訟法』(法学書院)
- 一通りの知識を身に付けたい人のために、
- 佐上善和『民事訴訟法』(法律文化社)
- 中野貞一郎編『現代民事訴訟法入門』(法律文化社)
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Last Updated: 1997年 8月 10日