関西大学法学部教授 栗田 隆

民事訴訟法講義「提訴前の資料収集」の注


注1 例えば、大学にあっては、学生の成績情報はもちろん在籍する学生の氏名・住所・電話番号も、重要な個人情報として厳重に管理されている。本人の同意がない限り外部に提供されることがないのが原則である。通常は、私人が収集することの困難の情報である。収集困難な情報であることの証明資料としては、情報提供依頼文書を送付したが、回答を拒絶されたことの事実関係を明らかにすれば足りよう(可能であれば、提供を拒絶する旨の書面を得ておく)。もっとも、裁判所から調査の嘱託があっても、大学がそれに応ずるとは限らない。その場合には、提訴後の文書提出命令により資料を得ることになる。