スイス法: 担保権に優先弁済受領権のみを認め、破産手続外での換価権は否定している(SchKG 198, 219; Amonn3S318, 342)。このことは、実体法上担保権者に自己売却権が認められている場合でも同様であり、破産においては担保権者の私的売却は排除される。但し、管財人が担保物を公の競売以外の方法で売却する場合には、担保権者の同意を得なければならない(SchKG 256.2)。また、被担保債権が弁済期未到来の場合には、担保権は買受人に引き受けられ、担保権者は破産手続中で優先弁済を受けないものとされている。不足額については、債務者が人的に責任を負っていれば、破産法上の順位にしたがって配当を受ける。 別除権は、財産譲渡付和議においてのみ認められる(SchKG 316K)。
スイス債務取立・破産法198条「担保権の設定されている財産は、散歩債権者に保証された優先権を留保して、破産財団に取り込まれる」
オーストリー破産法: 民事留置権は、留置物の所有者が破産しても効力を失わない(10条2項)。
オーストリー破産法: 担保目的の所有権が別除権として扱われることが明規されている(10条3項)。
フランス法: [下村*1999d]3号109頁参照(買主の裁判上の更生手続は、先取特権を消滅させる)。
イタリアの船舶抵当に関して、[栗田*1983d]=栗田和彦「イタリア船舶保険における保険金支払条項の法的性質」(関西大学法学論集33巻1号(昭和58年4月)197頁−222頁)参照(我国では質権が利用されているが、イタリアでは、抵当権者への支払条項付保険、すなわち、被保険者を保険契約者である抵当物件所有者としつつ、保険金受取人を抵当権者とする保険が利用されているとのことである)。
ドイツ法では、取戻権ではなく別除権として扱われ、不足額主義の適用がある。[清水*2014a]参照