関西大学法学部教授
栗田 隆
参照指示の形式
文献の参照指示にあたっては、次の2つの形式を用います。
いずれの形式においても、執筆者名はすべて姓のみを表示します。同一の姓を有する複数の者が存在する場合には、識別がすぐにできない点で問題がありますが、より詳細な書誌事項を収録したデータベースを用意しますので、それを参照してください。
- 共著の場合には、最初の2名ないし3名までを表示します。連記の際の区切り記号として、2バイトの「=」を用います(若干の例外が生じていますが、できるだけこのように統一します)。
- 編集著作物については、編集者名の後に「編」の語をいれてみましたが、冗漫な感じがするので省略しました。なお、頁数の後ろに実際の執筆者名を付記します。
- 翻訳著作物については、翻訳者名のみが表示されます。執筆者名は、参照指示された文献の内容の著作者であるとは限らないことに注意してください。
第1の形式の発行年とその後の英数字は、次のようになります。
- 発行年は、すべて西暦で表示します。同一の版について複数の刷がある場合には、実際に使用した刷の発行年です。裁判年月日も西暦表示にしたいのですが、現状では無理でしょう。
- 英数字は、同一人または同一の姓を有する別人によって同一年に出された文献を識別するためのものです。この英数字は、文献リストに記載した順に(したがって、ランダムに)付されます。
- 雑誌等に連載された文献は、できるたけ一つの文献として扱います。この場合に、発行年には最初の部分の発行年をあてます。連載の各部分の識別のために、頁番号の前に連載番号付します。例えば、第1号は、次のようになります。
上記の2つの参照指示のうちのいずれかが適宜選択されます。特に確定した方針はありませんが、引用が頻繁になされる文献については、2番目の方法が取られます。データベースでの検索にあたっては、「[」と「]」とで囲まれ、「*」で区切られた次の2つの要素を指定して検索してください。
- 著者名
- 「発行年-英数字」または「文献名の略語」
参照文献のデータベース
これまで読書記録として書き留めてきた文献カードを参照文献のデータベースとして使用します。文献データベースとして公開できるほどには充実しておらず、また、整理も不十分です。そのうえ、最近はこの
Web site の充実に時間を取られて、最近の文献はほとんど取り入れられていません。したがって、当分の間、参照指示文献の略語表の代用物としてのみ使用してください。
各レコードの主要な項目は次のようになっています。
- 執筆名
- 著者名が複数ある場合には、3人を上限として適当な数の執筆者を連記します。連記の際の区切り記号として、2バイトの「=」を用います(若干の例外が生じていますが、できるだけこのように統一します)。
- 連記しなかった執筆者がある場合に「ほか」または「・ほか」を付記します。
- 新聞記事については、通常、新聞社を執筆者として扱います。
- 翻訳著作物については、執筆者名(翻訳者名)の後に「・訳」と表記しています。したがって、著者名でソートすると、同一の執筆者の文献のうちで翻訳文献は最後になります。
- 紹介などについても同様な措置をとることが考えられますが、シンポジュームや座談会などいろいろな形式があるので、その措置はとっていません。これらについては、文献名の前に<紹介><シンポジューム>といった表示が置かれています。「監修」や「編集」についてどうするかは一定していませんが、多くの場合に内容が執筆者の見解の表明ではないという点で、翻訳と同じ措置をとるのが良いかもしれません。
- 出典
- 雑誌や単行書に掲載されている論文については雑誌名・単行書名、発行年の表示、ページ番号などが記載されます。発行年は雑誌・単行書に記載されている発行年です。ここに発行年が入っているのは、読書記録のカードを作り始めた時にそうしたからで、今後は「発行年」のフィールドに移していくことなりますが、初版の発行年の記載場所として利用することがあるかもしれません。単行書については、発行年と出版社名が記載されています。
- 発行年(数字・西暦表示)
- 重刷や重版の場合に、どの発行年をいれるのか迷いますが、すべて参照した図書の最終の発行年です。したがって、このデータベースに記載されている発行年から文献に表明された見解の先行性を判断することはできません。
- キーワード
-
- 検索用著者名
- 個人については、姓のみが記されています。著者名が複数ある場合には、3人を上限として適当な数の執筆者を連記します。連記の際の区切り記号として、2バイトの「=」を用います(若干の例外が生じていますが、できるだけこのように統一します)。連記しなかった執筆者がある場合に「ほか」の表記は省略されています。
新聞社を執筆者として扱った場合には、末尾の「新聞」の語は省略しています。官庁の部局を執筆者として扱った場合には、「***省」までを記載するようにしています。「最高裁判所事務総局民事局監修」の単行書が多数ありますが、これは、「最高裁」と記載します。東京地裁の各種研究会が編著者になっている単行書については、「東京地研」と記載します。
次のものについては、編者ではなく、書名の一部を用います。
- 百選 判例百選
- 解説 各種判例解説・リマークス
- 注釈 各種注釈書・コンメンタール
- 注解 書名に「注解」を含んだ注釈書
- 検索用発行年・記号
- 同一の検索用執筆者名を有する者が同一の発行年に異なる文献を公表している場合に、それらを区別するために「-」の後に適当な英数字が付されています。新聞記事については、「発行年-月-日-適当な英数字」の構成にします。
- 検索用略語
- 頻繁に引用される単行書については、発行年・記号の組合せで参照指示するより、書名の一部を用いた略語により参照指示する方がよい場合がありますので、そのための項目です。必要に応じて、書名の一部の後に適当な英数字が付加されることがあります。
以上の項目は、すべてのレコードに完全に記載されているわけではありません。とりわけ新設の項目のうち検索用発行年・記号と検索用略語は、参照指示の必要が出てきた場合に順次付加されます。一旦付加されると、ほとんど変更ができませんので、間違いのないように慎重に行います。