概日リズム

(がいじつりずむ)[/生物学/医学/法学/労働法/]


他の生物(動物や植物)と同様、人間も地球の自転によって生ずる太陽光線の周期(1日24時間)によって大きく影響され、おおむね1日約24時間のリズムで生活することに適するように体内時計が備わっている(この体内時計の周期については、25時間とする見解や24時間11分とする見解がある(注1))。太陽に対する地球の自転周期(24時間)と若干のズレがあるため、「おおよそ1日のリズム」の意味で「概日リズム」という。

不規則な勤務のために概日リズムが乱れると、睡眠障害や疲労蓄積等,健康に対してよくない影響を及ぼす可能性がある。規則性や周期性のない不規則交替制勤務あるいは連続勤務により労働者の概日リズムが乱れ,睡眠不足や疲労蓄積に陥り、これが原因となって労働者が心身の健康を害した場合には、労働災害になる。使用者は、安全配慮義務(労働契約法5条)の一部である適性労働条件措置義務(注2)の一部として、労働者の概日リズムが乱れないように勤務のリズムに配慮する義務を負う。

概日リズムが問題にされた判例として、次のものがある(いずれも、裁判所のWebサイトで「概日リズム」をキーワードにして検索されたものである)。


注1 厚生労働省の「概日リズム睡眠障害」<https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-007.html>では、25時間である。ウィキペディア「概日リズム」では、24時間11分である。

注2 水島郁子「メンタルヘルス対策と企業の責任」(季刊労働法233号(2011年)77頁−89頁)80頁以下。


栗田隆のホーム

Contact: <kurita@kansai-u.ac.jp>
2014年 3月 15日