棒利

(ぼうり)[/法学/民事法/民法/利息制限法/]


貸し付けた元金の分割取立てが順次なされる場合に、利息として、当初の貸付額に利率を乗じた額を支払わせること(あるいは、そのような利払いの合意やその合意に基づく利息)を「棒利」という。江戸時代からすでにある言葉であり、明治10年利息制限法(昭和29年廃止)4条にも現れているが、現行法にはない。

利息は、本来、元本の使用対価として支払われるものであり、分割弁済(分割取立)がさなれる場合には、順次減少していった残存元本額に利率と使用期間数を乗じて算出されるべきであるのに、当初の元金額を基準にして算出された利息額を取り立てるのであるから、暴利につながりやすい。明治10年利息制限法第4条は、次のように規定して、これを禁止している。

 「第2条ニ依リ定限利息ノ外総テ人民相互ノ契約ヲ以テ礼金棒利等ノ名目ヲ用ル者アルトモ総テ裁判上無効ノ者トス」


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2018年 12月 13日