平成12年8月24日(木)平成12年度近畿地区国立学校等技術専門職員研修レジメ
関西大学法学部教授 栗田 隆
インターネットに関わる法律
1 はじめに
- 研修の趣旨説明
- 資料の紹介
- 資料A(設例) 全部で8この設例を用意しました。2時半に、自分で興味のある問題を一つ選択して、同じ問題を選択した者同士でディスカッションをしてください。設例2と設例3は、似たような問題ですので、ワンセットにします。
- 資料B(条文) 設例に関係する条文を集めました。
2 大学の電気通信設備の位置付け
- 大学の公衆電気通信回線設備に接続された自営電気通信設備
- 大学が第2種電気通信事業者と見るか否かで、どのような違いが生ずるか。
- 第22条(一般第二種電気通信事業の届け出) 違反の場合には、108条により30万円以下の罰金
- 第3条(検閲の禁止)
- 第4条(秘密の保護) 第104条が刑事罰を用意している。
- 第7条(利用の公平)
- 自営電気通信設備の設置者は、自己の電気通信設備が自己が定めた目的の遂行のために適切に利用されているかを、通信ログ等の解析を通じて点検することができる。しかし、大学には学問の自由が保障されており(憲法23条)、知る自由がもっとも尊重されるべき場である。この自由の保障のために、大学図書館においては、図書の貸出記録は図書の返却とともに消去するものとされている。同様なことは、インターネットの通信ログについても望まれる。ただ、大学の図書館にポルノ雑誌が置かれることはないが、大学の通信設備を利用してポルノサイトにアクセスすることは可能であり、そのアクセスを許すことまでは、大学の通信設備の目的には含まれない。
3 著作権法
- 著作物(著作権法2条1項1号)
- 著作権の消滅した美術作品の再現写真
- 屋外に建っている建築物・彫刻など
- 第46条(公開の美術の著作物等の利用)
美術の著作物でその原作品が前条第2項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
1 彫刻を増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合
2 建築の著作物を建築により増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合
3 前条第2項に規定する屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合
4 専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合
- 十和田湖のほとりに建っている高村光太郎が制作した銅像
- インターネットによる送信の位置付け
- Webの著作権法上の位置付け
- 電子メイルの著作権法上の位置付け
- 著作者に無断で公衆送信した場合の救済
- 著作権法第112条(差止請求権)
(1) 著作者、著作権者、出版権者又は著作隣接権者は、その著作者人格権、著作権、出版権又は著作隣接権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
(2) 著作者、著作権者、出版権者又は著作隣接権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物、侵害の行為によつて作成された物又はもつぱら侵害の行為に供された機械若しくは器具の廃棄その他の侵害の停止又は予防に必要な措置を請求することができる。
- 民法709条
- リンクの問題
4 その他−グループディスカッションの題材に関連して