平成12年8月24日(木)平成12年度近畿地区国立学校等技術専門職員研修
関西大学法学部教授 栗田 隆

資料B:法文


憲法


第11条〔基本的人権の享有と本質〕 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

第12条〔自由・権利の保持義務、濫用の禁止、利用の責任〕 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

第13条〔個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利の尊重〕 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第14条〔法の下の平等、貴族制度の否認、栄典の限界〕 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

第15条〔公務員の選定罷免権、公務員の性質、普通選挙・秘密投票の保障〕 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
 (2) すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
 (3) 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
 (4) すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

第16条〔請願権〕 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。

第17条〔国及び公共団体の賠償責任〕 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

第18条〔奴隷的拘束及び苦役からの自由〕 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

第19条〔思想及び良心の自由〕 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

第20条〔信教の自由、国の宗教活動の禁止〕  信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
 (2) 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
 (3) 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

第21条〔集会・結社・表現の自由、検閲の禁止、通信の秘密〕 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
 (2) 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

第22条〔居住・移転・職業選択の自由、外国移住・国籍離脱の自由〕 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
 (2) 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

第23条〔学問の自由〕 学問の自由は、これを保障する。


民法


第709条 故意又ハ過失ニ因リテ他人ノ権利ヲ侵害シタル者ハ之ニ因リテ生シタル損害ヲ賠償スル責ニ任ス

第710条 他人ノ身体、自由又ハ名誉ヲ害シタル場合ト財産権ヲ害シタル場合トヲ問ハス前条ノ規定ニ依リテ損害賠償ノ責ニ任スル者ハ財産以外ノ損害ニ対シテモ其賠償ヲ為スコトヲ要ス


電気通信事業法


(目的)
第一条 この法律は、電気通信事業の公共性にかんがみ、その運営を適正かつ合理的なものとすることにより、電気通信役務の円滑な提供を確保するとともにその利用者の利益を保護し、もつて電気通信の健全な発達及び国民の利便の確保を図り、公共の福祉を増進することを目的とする。

(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 一 電気通信 有線、無線その他の電磁的方式により、符号、音響又は影像を送り、伝え、又は受けることをいう。
 二 電気通信設備 電気通信を行うための機械、器具、線路その他の電気的設備をいう。
 三 電気通信役務 電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他電気通信設備を他人の通信の用に供することをいう。
 四 電気通信事業 電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業(放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第五十二条の十第一項に規定する受託放送役務、有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律(昭和二十六年法律第百三十五号)第二条に規定する有線ラジオ放送、有線放送電話に関する法律(昭和三十二年法律第百五十二号)第二条第一項に規定する有線放送電話役務、有線テレビジョン放送法(昭和四十七年法律第百十四号)第二条第一項に規定する有線テレビジョン放送及び同法第九条の規定による有線テレビジョン放送施設の使用の承諾に係る事業を除く。)をいう。
 五 電気通信事業者 電気通信事業を営むことについて、第九条第一項の許可を受けた者、第二十二条第一項の規定による届出をした者及び第二十四条第一項の登録を受けた者をいう。
 六 電気通信業務 電気通信事業者の行う電気通信役務の提供の業務をいう。

(検閲の禁止)
第三条 電気通信事業者の取扱中に係る通信は、検閲してはならない。

(秘密の保護)
第四条 電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。
2 電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。

(事業の種類)
第六条 電気通信事業の種類は、第一種電気通信事業及び第二種電気通信事業とする。
2 第一種電気通信事業は、電気通信回線設備(送信の場所と受信の場所との間を接続する伝送路設備及びこれと一体として設置される交換設備並びにこれらの附属設備をいう。以下同じ。)を設置して電気通信役務を提供する事業とする。
3 第二種電気通信事業は、第一種電気通信事業以外の電気通信事業とする。
4 第二種電気通信事業者(第二十二条第一項の規定による届出をした者及び第二十四条第一項の登録を受けた者をいう。以下この項において同じ。)は、その設置する電気通信設備(伝送路設備を除く。以下この項において「第二種電気通信事業用設備」という。)の在る地点と利用者(電気通信事業者との間に電気通信役務の提供を受ける契約を締結する一の者であつて、電気通信事業者以外のものをいう。以下この項において同じ。)の電気通信設備の在る地点との間におけるその電気通信役務の提供に用いる電気通信回線については、当該第二種電気通信事業用設備を介して自らの電気通信役務の提供に用いる他の電気通信事業者の電気通信回線に接続されることとなるものであり、かつ、当該利用者が通常回線(それらの地点の間において当該第二種電気通信事業者が自らの電気通信役務の提供に用いる他の電気通信事業者の電気通信回線をいう。)の利用に代えて選択した場合に提供するものである限りにおいて、自ら設置した伝送路設備をその電気通信役務の提供に用いることができる。

(利用の公平)
第七条 電気通信事業者は、電気通信役務の提供について、不当な差別的取扱いをしてはならない。

(重要通信の確保)
第八条 電気通信事業者は、天災、事変その他の非常事態が発生し、又は発生するおそれがあるときは、災害の予防若しくは救援、交通、通信若しくは電力の供給の確保又は秩序の維持のために必要な事項を内容とする通信を優先的に取り扱わなければならない。公共の利益のため緊急に行うことを要するその他の通信であつて郵政省令で定めるものについても、同様とする。
2 前項の場合において、電気通信事業者は、必要があるときは、郵政省令で定める基準に従い、電気通信業務の一部を停止することができる。

(一般第二種電気通信事業の届け出)
第二十二条

1 一般第二種電気通信事業を営もうとする者は、郵政省令で定めるところにより、次の事項を記載した書類を添えて、その旨を郵政大臣に届け出なければならない。
 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
 二 郵政省令で定める区分による電気通信役務の種類及びその態様
2 --略--

(提供義務)
第三十四条 第一種電気通信事業者は、正当な理由がなければ、その業務区域における電気通信役務の提供を拒んではならない。

(自営電気通信設備の接続)
第五十二条 第一種電気通信事業者は、第一種電気通信事業者以外の者からその電気通信設備(端末設備以外のものに限る。以下「自営電気通信設備」という。)をその電気通信回線設備に接続すべき旨の請求を受けたときは、次に掲げる場合を除き、その請求を拒むことができない。
 一 その自営電気通信設備の接続が、郵政省令で定める技術基準(当該第一種電気通信事業者が郵政大臣の認可を受けて定める技術的条件を含む。)に適合しないとき。
 二 その自営電気通信設備を接続することにより当該第一種電気通信事業者の電気通信回線設備の保持が経営上困難となることについて当該第一種電気通信事業者が郵政大臣の認定を受けたとき。
2 第四十九条第二項の規定は前項第一号の技術基準について、前条の規定は同項の請求に係る自営電気通信設備の接続の検査について準用する。この場合において、同条第一項及び第二項中「第四十九条第一項の技術基準」とあるのは、「第五十二条第一項第一号の技術基準(同号の技術的条件を含む。)」と読み替えるものとする。

第百四条 電気通信事業者の取扱中に係る通信(第九十条第二項に規定する通信を含む。)の秘密を侵した者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2 電気通信事業に従事する者が前項の行為をしたときは、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。


刑法


第三十四章 名誉に対する罪

 (名誉毀損)
第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

 (公共の利害に関する場合の特例)
第二百三十条の二 前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
2 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
3 前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

 (侮辱)
第二百三十一条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

 (親告罪)
第二百三十二条 この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
2 告訴をすることができる者が天皇、皇后、太皇太后、皇太后又は皇嗣であるときは内閣総理大臣が、外国の君主又は大統領であるときはその国の代表者がそれぞれ代わって告訴を行う。


著作権法


第2条(定義)
 (1) この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
   1 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
   2 著作者 著作物を創作する者をいう。
   3 実演 著作物を、演劇的に演じ、舞い、演奏し、歌い、口演し、朗詠し、又はその他の方法により演ずること(これらに類する行為で、著作物を演じないが芸能的な性質を有するものを含む。)をいう。
   4 実演家 俳優、舞踊家、演奏家、歌手その他実演を行なう者及び実演を指揮し、又は演出する者をいう。
   5 レコード 蓄音機用音盤、録音テープその他の物に音を固定したもの(音をもつぱら影像とともに再生することを目的とするものを除く。)をいう。
   6 レコード製作者 レコードに固定されている音を最初に固定した者をいう。
   7 商業用レコード 市販の目的をもつて製作されるレコードの複製物をいう。
   7の2 公衆送信 公衆によつて直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信(有線電気通信設備で、その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(その構内が2以上の者の占有に属している場合には、同一の者の占有に属する区域内)にあるものによる送信(プログラムの著作物の送信を除く。)を除く。)を行うことをいう。
   8 放送 公衆送信のうち、公衆によつて同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う無線通信の送信をいう。
   9 放送事業者 放送を業として行なう者をいう。
   9の2 有線放送 公衆送信のうち、公衆によつて同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う有線電気通信の送信をいう。
   9の3 有線放送事業者 有線放送を業として行う者をいう。
   9の4 自動公衆送信 公衆送信のうち、公衆からの求めに応じ自動的に行うもの(放送又は有線放送に該当するものを除く。)をいう。
   9の5 送信可能化 次のいずれかに掲げる行為により自動公衆送信し得るようにすることをいう。
     イ 公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置(公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分(以下この号において「公衆送信用記録媒体」という。)に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう。以下同じ。)の公衆送信用記録媒体に情報を記録し、情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体として加え、若しくは情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体に変換し、又は当該自動公衆送信装置に情報を入力すること。
     ロ その公衆送信用記録媒体に情報が記録され、又は当該自動公衆送信装置に情報が入力されている自動公衆送信装置について、公衆の用に供されている電気通信回線への接続(配線、自動公衆送信装置の始動、送受信用プログラムの起動その他の一連の行為により行われる場合には、当該一連の行為のうち最後のものをいう。)を行うこと。
   10 映画製作者 映画の著作物の製作に発意と責任を有する者をいう。
   10の2 プログラム 電子計算機を機能させて1の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したものをいう。
   10の3 データベース 論文、数値、図形その他の情報の集合物であつて、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。
   11 2次的著作物 著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物をいう。
   12 共同著作物 2人以上の者が共同して創作した著作物であつて、その各人の寄与を分離して個別的に利用することができないものをいう。
   13 録音 音を物に固定し、又はその固定物を増製することをいう。
   14 録画 影像を連続して物に固定し、又はその固定物を増製することをいう。
   15 複製 印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。
     イ 脚本その他これに類する演劇用の著作物 当該著作物の上演、放送又は有線放送を録音し、又は録画すること。
     ロ 建築の著作物 建築に関する図面に従つて建築物を完成すること。
   16 上演 演奏(歌唱を含む。以下同じ。)以外の方法により著作物を演ずることをいう。
   17 上映 著作物(公衆送信されるものを除く。)を映写幕その他の物に映写することをいい、これに伴つて映画の著作物において固定されている音を再生することを含むものとする。
   18 口述 朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達すること(実演に該当するものを除く。)をいう。[平成11年改正前は17号であった]
   19 頒布 有償であるか又は無償であるかを問わず、複製物を公衆に譲渡し、又は貸与することをいい、映画の著作物又は映画の著作物において複製されている著作物にあつては、これらの著作物を公衆に提示することを目的として当該映画の著作物の複製物を譲渡し、又は貸与することを含むものとする。
   20 技術的保護手段 電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法(次号において「電磁的方法」という。)により、第17条第1項に規定する著作者人格権若しくは著作権又は第89条第6項に規定する著作隣接権(以下この号において「著作権等」という。)を侵害する行為の防止又は抑止(著作権等を侵害する行為の結果に著しい障害を生じさせることによる当該行為の抑止をいう。第30条第1項第2号において同じ。)をする手段(著作権等を有する者の意思に基づくことなく用いられているものを除く。)であつて、著作物、実演、レコード、放送又は有線放送(次号において「著作物等」という。)の利用(著作者の同意を得ないで行つたとしたならば著作者人格権の侵害となるべき行為を含む。)に際しこれに用いられる機器が特定の反応をする信号を著作物、実演、レコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像とともに記録媒体に記録し、又は送信する方式によるものをいう。
   21 権利管理情報 第17条1項に規定する著作者人格権若しくは著作権又は第89条第1項から第4項までの権利(以下この号において「著作権等」という。)に関する情報であつて、イからハまでのいずれかに該当するもののうち、電磁的方法により著作物、実演、レコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像とともに記録媒体に記録され、又は送信されるもの(著作物等の利用状況の把握、著作物等の利用の許諾に係る事務処理その他の著作権等の管理(電子計算機によるものに限る。)に用いられていないものを除く。)をいう。
     イ 著作物等、著作権等を有する者その他政令で定める事項を特定する情報
     ロ 著作物等の利用を許諾する場合の利用方法及び条件に関する情報
     ハ 他の情報と照合することによりイ又はロに掲げる事項を特定することができることとなる情報
   22 国内 この法律の施行地をいう。[平成11年改正前は17号であった]
 (2) この法律にいう「美術の著作物」には、美術工芸品を含むものとする。
 (3) この法律にいう「映画の著作物」には、映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され、かつ、物に固定されている著作物を含むものとする。
 (4) この法律にいう「写真の著作物」には、写真の製作方法に類似する方法を用いて表現される著作物を含むものとする。
 (5) この法律にいう「公衆」には、特定かつ多数の者を含むものとする。
 (6) この法律にいう「法人」には、法人格を有しない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含むものとする。
 (7) この法律において、「上演」、「演奏」又は「口述」には、著作物の上演、演奏又は口述で録音され、又は録画されたものを再生すること(公衆送信又は上映に該当するものを除く。)及び著作物の上演、演奏又は口述を電気通信設備を用いて伝達すること(公衆送信に該当するものを除く。)を含むものとする。
 (8) この法律にいう「貸与」には、いずれの名義又は方法をもつてするかを問わず、これと同様の使用の権原を取得させる行為を含むものとする。
 (9) この法律において、第1項第7号の2、第8号、第9号の2、第9号の4、第9号の5若しくは第13号から第19号まで又は前2項に掲げる用語については、それぞれこれらを動詞の語幹として用いる場合を含むものとする。

第13条(権利の目的とならない著作物)
 次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。
  1 憲法その他の法令
  2 国又は地方公共団体の機関が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
  3 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行なわれるもの
  4 前3号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国又は地方公共団体の機関が作成するもの

第14条(著作者の推定)
 著作物の原作品に、又は著作物の公衆への提供若しくは提示の際に、その氏名若しくは名称(以下「実名」という。)又はその雅号、筆名、略称その他実名に代えて用いられるもの(以下「変名」という。)として周知のものが著作者名として通常の方法により表示されている者は、その著作物の著作者と推定する。

第15条(職務上作成する著作物の著作者)
 (1) 法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。
 (2) 法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。

第17条(著作者の権利)
 (1) 著作者は、次条第1項、第19条第1項及び第20条第1項に規定する権利(以下「著作者人格権」という。)並びに第21条から第28条までに規定する権利(以下「著作権」という。)を享有する。
 (2) 著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。

第2款 著作者人格権

第18条(公表権)
 (1) 著作者は、その著作物でまだ公表されていないもの(その同意を得ないで公表された著作物を含む。次項において同じ。)を公衆に提供し、又は提示する権利を有する。当該著作物を原著作物とする2次的著作物についても、同様とする。
 (2) 著作者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる行為について同意したものと推定する。
   1 その著作物でまだ公表されていないものの著作権を譲渡した場合 当該著作物をその著作権の行使により公衆に提供し、又は提示すること。
   2 その美術の著作物又は写真の著作物でまだ公表されていないものの原作品を譲渡した場合 これらの著作物をその原作品による展示の方法で公衆に提示すること。
   3 第29条の規定によりその映画の著作物の著作権が映画製作者に帰属した場合 当該著作物をその著作権の行使により公衆に提供し、又は提示すること

第19条(氏名表示権)
 (1) 著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供若しくは提示に際し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。その著作物を原著作物とする2次的著作物の公衆への提供又は提示に際しての原著作物の著作者名の表示についても、同様とする。
 (2) 著作物を利用する者は、その著作者の別段の意思表示がない限り、その著作物につきすでに著作者が表示しているところに従つて著作者名を表示することができる。
 (3) 著作者名の表示は、著作物の利用の目的及び態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるときは、公正な慣行に反しない限り、省略することができる。

第20条(同一性保持権)
 (1) 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。
 (2) 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する改変については、適用しない。
   1 第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)又は第34条第1項の規定により著作物を利用する場合における用字又は用語の変更その他の改変で、学校教育の目的上やむを得ないと認められるもの
   2 建築物の増築、改築、修繕又は模様替えによる改変
   3 特定の電子計算機においては利用し得ないプログラムの著作物を当該電子計算機において利用し得るようにするため、又はプログラムの著作物を電子計算機においてより効果的に利用し得るようにするために必要な改変
   4 前3号に掲げるもののほか、著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変

第3款 著作権に含まれる権利の種類

第21条(複製権)
 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。

第22条(上演権及び演奏権)
 著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。

第22条の2(上映権)
 著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有する。

第23条(公衆送信権等)
 (1) 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
 (2) 著作者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する。

第24条(口述権)
 著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する。

第25条(展示権)
 著作者は、その美術の著作物又はまだ発行されていない写真の著作物をこれらの原作品により公に展示する権利を専有する。

第26条(頒布権)
 (1) 著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する。
 (2) 著作者は、映画の著作物において複製されているその著作物を当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有する。

第26条の2(譲渡権)
 (1) 著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。以下この条において同じ)の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。
 (2) 前項の規定は、著作物の原作品又は複製物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。
   1 前項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された著作物の原作品又は複製物
   2 第67条第1項若しくは第69条の規定による裁定又は万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律(昭和31年法律第86号)第5条第1項の規定による許可を受けて公衆に譲渡された著作物の複製物
   3 前項に規定する権利を有する者又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡された著作物の原作品又は複製物
   4 この法律の施行地外において、前項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者若しくはその承諾を得た者により譲渡された著作物の原作品又は複製物

第26条の3(貸与権)
 著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。)をその複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供する権利を専有する。

第27条(翻訳権、翻案権等)
 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。

第28条(2次的著作物の利用に関する原著作者の権利)
 2次的著作物の原著作物の著作者は、当該2次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該2次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。


第5款 著作権の制限

第30条(私的使用のための複製)
 (1) 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
   1 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
   2 技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第120条の2第1号及び第2号について同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合
 (2) 私的使用を目的として、デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能その他の私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に附属する機能として録音又は録画の機能を有するものを除く。)であつて政令で定めるものにより、当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であつて政令で定めるものに録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

第31条(図書館等における複製)
 図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館その他の施設で政令で定めるもの(以下この条において「図書館等」という。)においては、次に掲げる場合には、その営利を目的としない事業として、図書館等の図書、記録その他の資料(以下この条において「図書館資料」という。)を用いて著作物を複製することができる。
  1 図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分(発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された個個の著作物にあつては、その全部)の複製物を1人につき1部提供する場合
  2 図書館資料の保存のため必要がある場合
  3 他の図書館等の求めに応じ、絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料の複製物を提供する場合

第32条(引用)
 (1) 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
 (2) 国又は地方公共団体の機関が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。


不正アクセス行為の禁止等に関する法律

平成11年法律第128号(平成11年8月13日公布、平成12年2月13日施行)


 (目的)
第一条 この法律は、不正アクセス行為を禁止するとともに、これについての罰則及びその再発防止のための都道府県公安委員会による援助措置等を定めることにより、電気通信回線を通じて行われる電子計算機に係る犯罪の防止及びアクセス制御機能により実現される電気通信に関する秩序の維持を図り、もって高度情報通信社会の健全な発展に寄与することを目的とする。

 (定義)
第二条 この法律において「アクセス管理者」とは、電気通信回線に接続している電子計算機(以下「特定電子計算機」という。)の利用(当該電気通信回線を通じて行うものに限る。以下「特定利用」という。)につき当該特定電子計算機の動作を管理する者をいう。
2 この法律において「識別符号」とは、特定電子計算機の特定利用をすることについて当該特定利用に係るアクセス管理者の許諾を得た者(以下「利用権者」という。)及び当該アクセス管理者(以下この項において「利用権者等」という。)に、当該アクセス管理者において当該利用権者等を他の利用権者等と区別して識別することができるように付される符号であって、次のいずれかに該当するもの又は次のいずれかに該当する符号とその他の符号を組み合わせたものをいう。
 一 当該アクセス管理者によってその内容をみだりに第三者に知らせてはならないものとされている符号
 二 当該利用権者等の身体の全部若しくは一部の影像又は音声を用いて当該アクセス管理者が定める方法により作成される符号
 三 当該利用権者等の署名を用いて当該アクセス管理者が定める方法により作成される符号
3 この法律において「アクセス制御機能」とは、特定電子計算機の特定利用を自動的に制御するために当該特定利用に係るアクセス管理者によって当該特定電子計算機又は当該特定電子計算機に電気通信回線を介して接続された他の特定電子計算機に付加されている機能であって、当該特定利用をしようとする者により当該機能を有する特定電子計算機に入力された符号が当該特定利用に係る識別符号(識別符号を用いて当該アクセス管理者の定める方法により作成される符号と当該識別符号の一部を組み合わせた符号を含む。次条第二項第一号及び第二号において同じ。)であることを確認して、当該特定利用の制限の全部又は一部を解除するものをいう。

 (不正アクセス行為の禁止)
第三条 何人も、不正アクセス行為をしてはならない。
2 前項に規定する不正アクセス行為とは、次の各号の一に該当する行為をいう。
 一 アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該アクセス制御機能により制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者又は当該識別符号に係る利用権者の承諾を得てするものを除く。)
 二 アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能による特定利用の制限を免れることができる情報(識別符号であるものを除く。)又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者の承諾を得てするものを除く。次号において同じ。)
 三 電気通信回線を介して接続された他の特定電子計算機が有するアクセス制御機能によりその特定利用を制限されている特定電子計算機に電気通信回線を通じてその制限を免れることができる情報又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為

 (不正アクセス行為を助長する行為の禁止)
第四条 何人も、アクセス制御機能に係る他人の識別符号を、その識別符号がどの特定電子計算機の特定利用に係るものであるかを明らかにして、又はこれを知っている者の求めに応じて、当該アクセス制御機能に係るアクセス管理者及び当該識別符号に係る利用権者以外の者に提供してはならない。ただし、当該アクセス管理者がする場合又は当該アクセス管理者若しくは当該利用権者の承諾を得てする場合は、この限りでない。

 (アクセス管理者による防御措置)
第五条 アクセス制御機能を特定電子計算機に付加したアクセス管理者は、当該アクセス制御機能に係る識別符号又はこれを当該アクセス制御機能により確認するために用いる符号の適正な管理に努めるとともに、常に当該アクセス制御機能の有効性を検証し、必要があると認めるときは速やかにその機能の高度化その他当該特定電子計算機を不正アクセス行為から防御するため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

 (都道府県公安委員会による援助等)
第六条 都道府県公安委員会(道警察本部の所在地を包括する方面(警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第五十一条第一項本文に規定する方面をいう。以下この項において同じ。)を除く方面にあっては、方面公安委員会。以下この条において同じ。)は、不正アクセス行為が行われたと認められる場合において、当該不正アクセス行為に係る特定電子計算機に係るアクセス管理者から、その再発を防止するため、当該不正アクセス行為が行われた際の当該特定電子計算機の作動状況及び管理状況その他の参考となるべき事項に関する書類その他の物件を添えて、援助を受けたい旨の申出があり、その申出を相当と認めるときは、当該アクセス管理者に対し、当該不正アクセス行為の手口又はこれが行われた原因に応じ当該特定電子計算機を不正アクセス行為から防御するため必要な応急の措置が的確に講じられるよう、必要な資料の提供、助言、指導その他の援助を行うものとする。
2 都道府県公安委員会は、前項の規定による援助を行うため必要な事例分析(当該援助に係る不正アクセス行為の手口、それが行われた原因等に関する技術的な調査及び分析を行うことをいう。次項において同じ。)の実施の事務の全部又は一部を国家公安委員会規則で定める者に委託することができる。
3 前項の規定により都道府県公安委員会が委託した事例分析の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
4 前三項に定めるもののほか、第一項の規定による援助に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

第七条 国家公安委員会、通商産業大臣及び郵政大臣は、アクセス制御機能を有する特定電子計算機の不正アクセス行為からの防御に資するため、毎年少なくとも一回、不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況を公表するものとする。
2 前項に定めるもののほか、国は、アクセス制御機能を有する特定電子計算機の不正アクセス行為からの防御に関する啓発及び知識の普及に努めなければならない。

 (罰則)
第八条 次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
 一 第三条第一項の規定に違反した者
 二 第六条第三項の規定に違反した者

第九条 第四条の規定に違反した者は、三十万円以下の罰金に処する。

   附 則

 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。ただし、第六条及び第八条第二号の規定は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。