法務部・知的財産部のための民事訴訟法セミナー記録

第3日目


はじめに

審 理

訴えに対して裁判所が判決で応答するために、裁判所は判断資料を得なければなりません。判断資料を獲得する過程が審理です。条文は、147条の2以下です。口頭弁論、弁論準備手続などについて、駆け足で学びます。

証拠調については、第1日目ですませたことにして、省略します。

事実の認定については、自由心証主義が採用されています。これについては、判例資料集「E 自由心証 」に挙げた3つの判例から具体内容を学ぶことにします。


Discussion

未整理


判例リスト

E 自由心証主義

    1. 名古屋地方裁判所 平成14年1月29日 民事第1部 判決 (平成12年(ワ)第929号)   セクシャルハラスメントを受けたことを理由とする損害賠償請求訴訟において、最初の性的行為は原告の側から積極的意思に基づいて仕掛けたものであったと認定され、その後の臀部接触についても原告が黙示的に承諾・宥恕していたと認定され、損害賠償請求が棄却された事例。
    2. 東京地方裁判所 平成13年5月16日 民事第29部 判決(平成12年(ワ)第7932号)  1.証拠保全としての検証が行われた事務所にあったコンピュータのうちの一部について時間不足等の理由により検証がなされなかった場合に,検証が実施された136台と実施されなかった83台との間に使用態様に相違がないものと推認され,136台について確認された被告の利益額を基準にして,これに136分の219を乗じた額が全体の利益額であると推認された事例。  1a.被告が検証場所となった事務所以外に多数の事務所を有する場合には,検証場所で確認された違法複製が他の事務所においても行われていたと推認するのが適当でないとされた事例。
    3. 大阪地方裁判所 平成15年10月23日 第21民事部 判決(平成14年(ワ)第8848号)  コンピュータプログラムの違法複製の証拠保全手続において被告が検証の開始を30分遅らせる等の非協力的態度をとったのみならず、証拠隠滅を疑わせる行動をとったため、違法複製が直接確認されたコンピュータについてのみならず、その痕跡のあるコンピュータについても違法複製がなされたものと推認された事例。