(*1) もっとも情報処理機器がまだ高価な当時では、こうした選択肢をとるのもやむえなかった面もある。また、現在においても、情報処理機器の陳腐化が激しく、5年リースで機械を更新して行く場合には、時代遅れの状況が生ずることがあるのは否めない。ただ、カリキュラム全体から見れば情報処理教育の比重は大きくなく、そこに多額の機器購入・リース費用を投入することについて学部内の合意ができるかは問題であり、それは情報処理教育の内容の充実の程度にも依存しよう。

(*2) ドイツで状況につき、本書収録の亀田健二「ドイツにおける法学教育とコンピュータ」参照。

(*3) 率直に言って、接続が面倒であり、半年の授業時間内で接続方法を教えている余裕はない。この結果、学生に教材を配布する場合には、学生からフロッピーディスクを集め、それに教員が教材をコピーすることになる。学生からデータを集める場合も、同様である。

(*4) 教室で挙手させての調査であり、恥ずかしがって手をあげない学生もいるから、実際にパソコンを保有する学生数はもう少し多いであろうが、それでも全体から見れば少数であることに変わりはない。

(*5) 高校段階での情報処理教育のことではないが、小学校・中学校段階での情報処理教育は必ずしも順調に進展していないようである。1994年11月14日のAERA7巻46号6頁には、「学校パソコンの持ち腐れ」という刺激的なタイトルの記事が掲載されている。

(*6) 私が当初用意したマニュアル自体にも不完全な点があり、最初から[資料5]の教材を配布しておれば、成績はもっとよかったであろう。

(*7) メールを出すためにこのソフトのエディタを用いて日本語の文章を作成しようとすると、システムエラーがよく発生する。40人ほどの学生が一斉に使うと、常時どこかでエラーが発生し、バソコンの再起動が必要となった。安定して動作するソフトとしてNSCA telnet もあるが、初心者を対象とする半期の授業の中でこれをも教える余裕はない。

(*8) アラン・ケイ(鶴岡雄二・訳)『アラン・ケイ』(1992年、アスキー出版局)を参照。

(*9) 「民法を学ぶために」のビデオ作成に協力していただいた石神希さん(関西大学法学部2回生)である。

(*10) この作業は1995年3月から行われる。