資料[5]
表計算ソフトの使い方3

関西大学法学部教授
栗田 隆


 表計算ソフトの使い方のまとめとして、前回おこなった夫婦別姓についてのアンケートの回答を集計した表およびグラフを作成し、それらを取り入れた報告書を作成します。
 3回の授業時間をかけるので、立派な報告書を作成してください。授業中にできない部分は、水曜3・4限のオープン利用の時にすること。その時間帯に都合が悪い人のために、土曜日の次の時間帯を補講時間とする予定ですので、掲示に注意してください。
   9時30分−10時30分
   14時40分−16時10分
 できあがった人は、自分の学籍番号と名前を付けたホルダーに報告書のファイルとその基礎となった表計算のファイルを入れて、フォルダーごと事務室のコンピュータ(LC520)にコピーしてください。締め切りは、12月4日とします。

1.ファイル「アンケートの回答」を開く

 アンケートの回答を取りまとめたものが、「アンケートの回答」というファイル名で、諸君に返却したフロッピーディスクの中に入っている。フロッピーディスクをコンピュータに入れ、その内容を示すウィンドーを開き、次のフォルダーをダブルクリックする。

  

そして、次のファイルをダブルクリックする。

  

すると、次のような表が現れる。

  

2.縦方向にスクロールさせる

 表を縦方向にスクロールさせていき、第117行を出す。

  

 第1行目に各列の内容を示す名前(項目名)が入っているので、回答数は、
   117−1=116
あったことになる。もう少しスクロールさせると、質問1についての単純集計表がある。

  

3.計算式の説明

 B122のセルをクリックして選択すると、その内容がメニューバーの下に次のように表示される。

  

この式は、 A1からM117までのセル内にあるデータベースについて、
  B123からB124にある条件式に合致するレコード(アンケート回答)
の数を数え上げる式である。
条件式は、次のようになっている。

  

 上記の数え上げのための式は、A1からM117までにあるレコード(回答)の内で、質問1の値が「1」であるレコードの数を数え上げることになる。言い替えれば、条件式の中の項目名(質問1)と一致する項目名がデータベースの最初の行の中にあり、それがB列の中にあるので、コンピュータは、B2からB117の中に「1」が幾つあるかを調べるのである。
 計算式の中で、$A$1:$M$117 と B123:B124 との間に、2つのコンマがあるが、これはコンマとコンマとの間に入るべきものが省略されているからである。省略されたものがなにであるかは、ここでの集計には関係ないので、説明しない。
 同様にC122のセルをクリックして選択すると、その内容がメニューバーの下に次のように表示される。

  

これは、A1 から M117 のセルの間にあるレコード(アンケートの回答)のうちで、C123 から C124 のセルに記された条件式に合致するレコードの数を求める式である。C123 から C124 のセルの中には、<「質問1」の回答が「2」>という条件式が書かれているので、男性の数を数えることになる。

4.セルの絶対指定と相対指定

 上記の計算式で、セルの指定の形式に二つの形式があった。一つは、行あるいは列を示す記号の前に$を付けるもの(例えば、$A$1)であり、他は付けないもの(例えば、A1)である。いずれも指し示しているものは同じであるが、計算式を他の場所にコピーしたときに違いが現れる。 この違いは、すぐ次の実例で示される。

5.列の幅を小さくしておく

 作業をしやすくするために、列の幅を小さくしておこう。A列はそのままでよいのでB列以下の幅を小さくする。まず、B列を示す場所にマウスのポインターを置く。

  

マウスボタンを押したまま右にドラッグしてM列までを選択する。B列からM列に選択状態を示す色が付いていることを確認する。このB列からM列について、セルの幅を次のようにして小さくする。

「書式」メニューから「セルの幅...」を選択する。

  

次のダイアログボックスが出てきたら、

  

キーボードの右端の数字キーを使って、「6」をタイプすると、選択状態にあった「10」が「6」に置き換えられる。

  

そのまま「OK」ボタンをクリックする。

6.質問2の回答を自分で集計する

 メニューバーの右端に日本語入力を示す●が現れていることを確認する。◆であれば、このマークをクリックする。
 A126のセルを選択して、そこに「質問2の回答」とタイプする。
 B126のセルを選択して、そこに「1番」とタイプする(「1」だけだとグラフ作成の段階でおかしくなるので、数字ではなく文字であることを示すために、「1番」とする)。
 以下同様にして、次のようにする。

  

条件式は、129行から130行にタイプしよう。
B129のセルに、「質問2」とタイプする。数字の「2」は、必ず半角の数字にすること(キーボードの右端の数字キーを使うと確実である)。次に、B129のセルからF129までのセルを選択し、「編集」メニューから「右方向コピー」を選択する。

  

すると、次のようになる。

  

B130から右に順に1,2,3,4,5とタイプして、次のようにする。必ず、半角の数字にすること。数字の前にスペースをタイプしないこと(タイプしなくても、自動的に右寄せになる)。

  

メニューバーの右端にある●をクリックして、◆に変える。これで、1バイト文字で数式を記入することができるようになる。

B127のセルを選択して、次の式をタイプする。

  

式を入力してリターキーあるいはタブキーを押すと、B127のセルに「39」という数字が現れる。
次にB127からF127までのセルを選択して、「編集」メニューから「右方向コピー」を選択する。すると、次のようになる。

  

そして、G127のセルに次の式をタイプする。

  

リターンキー押すと、G127のセルに「116」という数字が現れる。

7.質問2の回答の百分率を計算する

百分率を計算するために、B128を選択して、次の式をタイプする。この計算式を後でコピーするために、「G127」については、「G」を絶対指定とする(「$」マークを付けておく)。

  

そして、リターンキー押すと、B128のセルに「0.3362」という数字が現れる。このままでは見にくいので、B128のセルが選択されていること確認の上、書式メニューから「数字...」メニューを選択する。

  

次のダイアログボックスが現れたら、下方向にスクロールさせ、

  

「0%」を選択して、「OK」ボタンをクリックする。

  

すると、B128のセルに「34%」という数字が現れる。

  

次にB126からG126を選択して、「編集」メニューから「右方向コピー」を選択すると、次のようになる。

  

8.グラフを作成する

 各質問ごとの単純集計は、以下同様にして、各自行うこと。
 グラフも自分で適当に作成すること。例えば、上記の質問については、B126からF127のセルを選択してから、「ファイル」メニューから「新規作成」を選択する。出てきたダイアログボックスにおいて「グラフ」を選択して「OK」ボタンを押す。

  

すると、次の棒グラフが現れる。

  

このグラフを例えば、円グラフにするには、「様式」メニューから「円グラフ」を選択する。

  

すると、次のようなダイアログボックスが出てくるので、そのうちから、適当なものを選択する。

  

例えば、5番を選択すると、次のようになる。

  

6番を選択すると、次のようになる。

  

 「グラフ」メニューから「凡例追加」を選択すると、

  

次のようになる。

  

数字が重なっているので、右下のサイズボックスを引っ張って、グラフを大きくしておこう。

こうしてできた表やグラフを、適宜、マックライトの文書に張り付けて、気付いたことをメモしておく。

9.他の単純集計

 集計作業を簡単にするために、今作った集計表を基に集計することにしよう。その準備として、まず、B128のセルを選択して、その式の中の、「G」の前にあるドルマーク$をとって、相対指定にしておく。

  

128行にある他のセルについても同様にする。こうしておけば、この表を他の場所にコピーしても、自動的にセル指定が調整されて、作業が簡単になる。

 次に、A126からG130のセルを選択して、

  

「編集」メニューから、「コピー」を選択する。 そして、A149のセルを選択する。 「編集」メニューから「ペースト」を選択する。すると、先ほどと同じ表が現れる。同じでない場合には、絶対指定と相対指定に誤りがないかを確認する。

次に、これを質問3用の集計表にするために、A149を選択して、その内容を「質問3の回答」にする(いままでの内容の内、2を3に変える)。同様に、B152を選択して、その内容を「質問3」にする。そして、B152からF152を選択して、

  

「編集」メニューから「右方向コピー」を選択して、その内容が、「質問3」になるようにする。すると、次のような表ができる。

  

質問3は、回答の選択肢が1から4までであるので、選択肢5の回答の数は当然ゼロである。余分なものは削るのがよいから、F149からF153を選択して、「編集」メニューから「削除」を選択する。

  

次のようなダイアログボックスが出てきたら、「OK」ボタンをクリックする。

  

10.クロス集計

 例えば、家事仕事の分担についての回答は、男女で異なることが予想される。両者の間にどのような差異があるかを見ることは非常に有意義である。集計してみると、次のような結果となる。
結婚してからの家事仕事の分担
女性男性
1. 主として結婚相手にしてもらいたい038
2. 平等に分担したい2529
3. 主として自分がしたい73
4. その他311
ただ、この集計を情報処理教室にある古いソフトで行おうとすると、かなり繁雑になる。新しいソフトでは、簡単にできることなので、省略することにする。ただ、それでも集計してみたい人は、個別に尋ねてください。

11.最後に

 後は、各自が工夫しながら、表やグラフを作成すること。
 作成した表やグラフをマックライトの文書に張り付けて、よい報告書ができることを期待している。
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Last Updated: 1996年 1月 23日 (火)