資料[2]
表計算ソフトの使い方 2

関西大学法学部教授
栗田 隆


今回は表計算ソフトを使って判例一覧表を作ることを勉強する

1.ハードディスク内の「エクセル」という表計算ソフトを起動させる

の中から、をダブルクリックする。

2.次のような表を作る。

・裁判年月日の所は、次のようにする。まず、Bの列を選択する(ワークシートの一番上 の「B」の所をクリックして、Bの列全体の色が変るようにする)。

・メニューバーの「書式」からメニュー項目「数字」を選択する。

・そして、質問箱(ダイアログボックス)が現れたら、下の図のように、rr"年"m"月d"日" を選択する。

 これは、日本の年号表記のための特別の書式です。コンピュータ内部では、西暦表記で データが蓄えられますが、入力および表示は年号表記されます。最初の先例については、 半角文字で、
     25/10/11
と入力する。すると、
     昭和25年10月11日
と表記されます。
 数字は、年号の数字を含めて、キーボード右側の数字キーを用いて入力してください。 数字の前に空白(スペース)を入れないでください。数字(と「/」)を入力してから リターンキーやタブキーを押すと、自動的に右寄せになります。

・年号の欄が次のように表示される場合には、年号の欄の巾を広げてください。

3.並べ替え(ソート)

・判例を整理する場合に、裁判年月日順に並んでいる方が都合が良い場合があります。こ のように一定の基準で並べ替えることをソートと言います。ここでは、問題事項別に ならべ、かつ同じ問題事項の中では、裁判年月日順に並べることにします。

・並べ替えの対象となる全部のセルを選択する(A4にマウスのポインタ をあて、D14にドラッグし、選択部分の色を変える。A4のセルだけは、セルの枠のみに 色が付きます)。それから、メニューバーの「データ」にポインターをあて、「並べ 替え...」を選択する。

・すると、次のような質問箱が出てきます。

・この状態で、OKをクリックしても、希望のソートはできません。第一キー、つまりソ ートの基準がA4だからです。第一のソートキーは問題事項つまりC列ですので、これ がソートキーになるように設定します。そのために、表の上の「C」をクリックして ください。それから入力場所を第二キーの所に移します(タブキーを押すか、マウス のポインターを第二キーの所にもってきてクリックする)。そして、表の上の「B」 をクリックしてください。すると次のようになります。

 うまくいかない人は、とにかく第一キーと第二キーが上記のようになるように、キーボ ードから入力してください。必ず半角のこと。それからOKボタンをクリックすると、

となります。

4.文書ファイルへのコピー

 できあがったら、前回同様、文書ファイルにコピーし、文書ファイルの中の表にしてみ ましょう。
 そして、次のような文書を書いてみてください。

 法の下の平等に関する主要な先例を類型ごとに、そして同じ類型の中では裁判年月日順に並 べると、表[1]のようになる。これらの先例を以下で順次紹介することにしよう。  まず尊属殺人等の重罰規定の合憲性が問題となった事件を取り上げることにする。これが問 題になった最初の最高裁判決として、[1]最高裁判決昭和25年10月11日刑集4巻10号2037頁・ 判例タイムズ6号54頁がある。これは次のような事案のものである。・・・・・
 これらの先例を通観してみると、次のように言うことができる。すなわち、裁判所、特に最 高裁は法律の合憲性については、かなり慎重である。法律の中でも、最初に違憲判断が示さ れたのは、尊属殺等の重罰規定であり、これに対して、議員定数の不均衡に関しては、問題 にされた時期も遅いが、最高裁が違憲判断を示したのは更に遅かった。違憲判決を下しても 国会が対応できなけれまば、結果的に無視されたことになり、最高裁判所の威信の低下につ ながると考えられたからであろうか。・・・・

 こう言う形で書けば、法律のゼミのレポートとして、まずまずのものができる。表のなかに、 違憲判断が占めされたか否か等の項目も設けておけば、さらにレポートが書きやすくなる。 後は、判例をどのように収拾するかだが、これは教科書等に引用されている判例を拾い集 めてもよいし、自分で判例集をめくって集めても、あるいは判例体系をつかって集めても よい。もちろん、判例の整理のあとの分析も大事だが、これは情報処理論の授業の範囲外 である。


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Last Updated: 1996年 1月 23日 (火)